「リオ五輪」開会式の飛行機、その正体は? ライト兄弟の代わりに教科書へ載ったかもしれないブラジル人

2016年8月にブラジルで開催された「リオ五輪」。その開会式に、ある古めかしい飛行機が登場しました。「飛行機の発明」といえばアメリカ人のライト兄弟ですが、実は、あるブラジル人も飛行機を“発明”しているのです。しかし、「飛行機の父」ともいわれるそのブラジル人を待っていたのは、過酷な運命でした。

ライト兄弟は「うそつき」?

「デュモンが飛行機を発明した」ともいえる理由のひとつは、ライト兄弟がその飛行機「フライヤー」を原則非公開とし、わずかな立会人のもとでしか飛行を実施しなかったことによります。

 1900(明治33)年ごろには、すでに“空気よりも重い”飛行機の誕生はあと一歩のところにあり、欧米では誰が一番最初に飛行機を完成させるのか、多くの研究家によって競争の状態にありました。そして当時、「飛行に成功した」と自称するものが少なくなかったため、ライト兄弟の実績もまったく信用されなかったのです。

 デュモン自らが搭乗した「14bis」による最初の飛行は、たった6mでした(諸説あり。おおむね4~7mといわれる)。しかしながらデュモンは、「一般公開のもとで初めて飛行を成功させたこと」によって、「飛行機の発明者」としてその名を世界中へ轟かせることになります。「ライト兄弟は『フライヤー』を飛ばしたというが、彼らは『ライヤー(嘘つき野郎)』である」、そう記した新聞さえありました。

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ライト兄弟の「フライヤー」初飛行の様子。操縦は弟のオービル・ライト。右は兄のウィルバー・ライト。

 もちろん、ライト兄弟の実績は事実でした。また「14bis」が左右水平方向(ヨー軸)と上下垂直方向(ピッチ軸)の操縦しかできなかったのに対し、その約3年前に登場したライト兄弟の「フライヤー」はさらに左右横転(ロール軸)の操縦も可能。現在の飛行機とまったく同じように、機体の姿勢を自由にコントロールすることができました。

 さらに「14bis」が飛んだころには、すでに「フライヤー」は数十分間の飛行を実現。後日、ライト兄弟がパリへ乗り込んで初めて「フライヤー」の公開飛行を実施すると、ライト兄弟をして「ヨーロッパの飛行機などニワトリがジャンプしたに過ぎない」という自信が“本物”であったことが実証されます。

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