夕張支線の廃止を正式に申し入れ JR北海道、夕張市長の「ピンチをチャンスに」提案受け

厳しい経営状況が続くJR北海道。そのうち「夕張支線」と呼ばれる16.1kmの廃止について、JR北海道が夕張市へ正式な申し入れを行いました。夕張市長が行った「ピンチをチャンスに」という提案から、そうしたといいます。

石炭の輸送で栄えた路線

 JR北海道は2016年8月17日(水)、石勝線のうち「夕張支線」と呼ばれる新夕張~夕張間の廃止を、正式に夕張市長へ申し入れたと発表しました。長さは16.1kmで、全区間が夕張市内です。

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夕張支線は2014年度、100円の収入を得るのに1421円(管理費含む)が必要だった(2007年2月、恵 知仁撮影)。

 1892(明治25)年に開通した同区間は、夕張炭田で産出される石炭の輸送で往時はにぎわいましたが、石炭産業の衰退や自動車の普及などによって需要が大幅に減少。国鉄が分割民営化され、JRが発足した1987(昭和62)年度は1129人だった輸送密度(1日1kmあたりの平均輸送量)が2015(平成27)年度は118人と、約30年で10分の1に激減。「弊社の営業線区のなかでも極めてご利用が少ない線区」(JR北海道)といい、2014年度は約1億8000万円の赤字になっていました。また、すでに開通から100年以上がたっているため、トンネルや橋梁など土木構造物の老朽劣化が激しく、列車を継続的に運行するには巨額の維持更新費が必要といいます。

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