“開通”秒読み!? 生まれかわる東京の「ポツンと廃線鉄橋」 レールも復活し雰囲気満点に!
東京の晴海運河には、かつて貨物列車が走った貴重な鉄道橋が残されています。運用終了から36年、間もなくリニューアル工事が完了し、遊歩道としての新しい姿を現します。
国鉄時代に貨物専用線としてスタート
そもそも晴海橋梁は、晴海線と呼ばれる貨物専用線の一部でした。国鉄の越中島駅(東京都江東区。現・越中島貨物駅)から豊洲・晴海地区に線路を敷設し、1957年12月から貨物輸送が行われていたのです。
晴海橋梁は、日本の鉄道橋として初となるローゼ橋という種類のアーチ橋と前後に連続PC桁を採用した珍しい構造です。鉄道遺構としても貴重な存在といえます。
この橋は1989年2月の供用停止以降、撤去されることもなく長らくこの地に残されていました。近隣では開発が進み、タワーマンションや大規模商業施設「ららぽーと豊洲」が開業するなど姿を変えていく中、ポツンとたたずむ赤錆びたアーチやPC桁上の草むした線路が、独特な雰囲気を醸し出していました。
一時は撤去案もあったようですが、歴史的にも貴重な遺構であることから遊歩道として活用することが決定。もうすぐその工事を終える予定です。一般開放の具体的な日付は公開されていないものの、そう遠くないものと予想されます。
今年の夏は潮風に吹かれながら、かつての鉄路に思いを馳せるのも良いかもしれません。
Writer: 和田 稔(鉄道ライター)
幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。
昔、よく特撮ドラマの撮影に使われました。