まさか自社の“伏線”!? 「隣の鉄道会社の甲種輸送」動画でバズった私鉄、「御社もですよね…?」 車両置き換え計画を聞いた
JR東海の電車の甲種輸送を、途中にある鉄道会社が動画に収めて投稿し、大きな反響を呼びました。この動画が、自社の将来の「伏線」なのではないかと、一部で憶測を呼んでいます。同社に話を聞きました。
静岡を去るJR東海の電車に「頑張ってね!」
「こんがく!今日は長年隣を走っていたお友達がお引越しするんだって!流鉄でも頑張ってね!」

静岡県富士市を走る岳南電車が2025年7月5日、「X」の公式アカウント「岳ちゃん」にて、上記のメッセージと共に甲種輸送の動画を投稿し、注目を浴びました。
岳南電車の吉原駅で撮影した動画は、JR貨物の電気機関車EF210形がJR東海の211系電車2両編成を4編成(計8両)、けん引する様子を捉えています。これらの211系は千葉県の私鉄「流鉄」に譲渡され、流鉄は現行車両の5000形(元・西武鉄道新101系)を置き換えます。
時刻表に掲載されない甲種輸送の動画は貴重なだけに閲覧者が殺到してバズり、表示回数は10万回に達しました。ただ、岳南電車も現行車両を他社の中古車両で置き換える予定のため、今後の動きの「伏線」ではないか、との憶測も出ました。
岳南電車は吉原と岳南江尾を結ぶ9.2kmのミニ私鉄で、1949年の部分開通を経て53年に岳南江尾まで延伸。山梨県を地盤に運輸・レジャー業を展開する富士急行のグループ会社で、製紙工場や自動車部品工場などが並ぶ工業地帯を駆けています。
計6両の電車を抱えており、旧京王帝都電鉄(現・京王電鉄)井の頭線に使われていた旧3000系を1両で走れるように両運転台に改造した7000形が2両、旧京王3000系を2両編成にした8000形が1編成、京王線の初代5000系で2両編成の9000形が1編成在籍しています。
岳南電車は筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)の取材に対し、8000形を2027年3月ごろに退役させて他社の中古車両を導入すると明らかにしました。2両ある7000形も2027年度以降に置き換える計画で、岳南電車は更新理由を「既存車両が老朽化しているため」と説明しました。
赤字経営の岳南電車は地元の富士市から補助金を受けており、新たに導入する車両の減価償却費相当額も支給されます。岳南電車幹部は「車両導入に当たり、国(国土交通省中部運輸局)および静岡県からの補助金も受けるべく今後折衝する予定です」と話しました。
18m車両と20m車両で規格が違うから「京王独占」が崩れるのも時間の問題、或いは時代の流れで致し方ないかもしれない。20m4扉車両を中古買取りとなれば、ホームの延伸拡張工事が必要でしょう?!