札幌~福岡間を43時間で走破 JR貨物「最長距離列車」はどのように運用されている?

乗務10時間前から禁酒、トイレは許可制で

――乗務員の体調管理などで気を付けていることはありますか。

志水さん「急な体調不良などで運転を見合わせることのないように、事前の食事や飲料水摂取に注意を呼び掛けているほか、乗務10時間前から飲酒を禁止しています。乗務が始まる前から仕事は始まっているのです。体調管理に関して、禁酒以外に特別なルールはありませんが、居眠り運転などの対策として、乗務員が1分間動作をしなかった場合にエマージェンシーブレーキ(EB)が作動します。つまり、運転室内に警告音が鳴って5秒以内に確認しないと、非常ブレーキが作動する仕組みです」

――連続乗務時間の上限が定められている一方で、遅延などが起きてこれを超えてしまう場合もあるかと思います。

志水さん「トラブルなどの場合は8時間を目途に交代を指示していますが、運転見合わせになってしまった場所が山中などで交代乗員を送ることができない場合、やむを得ずそのまま乗務を続けることもあります。私が運転士だったときに阪神・淡路大震災が発生(1995年)し、連続17時間近く乗務しました。そのときは、機関車がしばらく同じ場所にいることを心配した一般の方が、おにぎりやラジオを持って来てくれました」

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インタビュー取材に応じるJR貨物の志水 仁さん(2016年8月、青山陽市郎撮影)。

――いつ、どこで発生するかわからないトラブルへの対応は大変そうですね。

志水さん「通常はJR各社の駅に交代要員を手配し、お弁当などの差し入れをする場合もあります。発車前のブレーキテストをしてもらうなど、JR各社と助け合う場面もあります。遅延などで長時間乗務した場合は必ず乗務員に体調の確認を行い、そこで休憩が欲しいということであれば、遅延が拡大しても休憩させます。安全が第一です」

――乗務員の方が運転の途中、トイレなどで降車したくなった場合はどうするのですか。また深夜乗務で眠くなってしまったときはどう対処していますか。

志水さん「車内で待っているのが原則ですが、どうしてもトイレに行きたい場合は運転キーを外し、機関車が勝手に動くことがないようにした上で、運転指令の許可が出れば可能です。眠気対策としては喫煙も可能ですし、運転席にドリンクホルダーも設置しているので、TPOをわきまえて各自で行ってもらっています。駅などに停車中は運転指令の許可があれば車外に出ることもできます。信号確認の際に『第一閉塞(へいそく)進行、第一場内進行!』などと、手と口を能動的に動かすことも眠気対策になります」

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コメント

4件のコメント

  1. 機関車の車内にトイレを設置する考えは無いのだろうか。中線などでの長時間の待避時に列車から離れる事無く用足し出来る安心感は大きいと思う。その場合は許可無しで使用出来るように配慮してトイレ内でも指令所と連絡が取れるようにする事が必要だけど。

  2. 貨物列車に対する世論の見直しは遅すぎる程で、JR移行前後から110km/h運転の可能なコンテナ列車や95km/h運転の石油輸送列車に対応出来るように高速運転対応車両の開発が進められてきたし、途中駅での頻繁な解放作業を省略出来るように化成品輸送のタンクコンテナによる集約輸送にも力を入れていた。別にトラック輸送を批判する意図は無いが、昨今の労働環境や道路事情、事故発生時のリスクを勘案しても明確な基準の制定された貨物輸送の方が輸送効率・輸送量・定時性で優れている部分が多いし、余程の危険物で無い限り輸送品目を問わないからトラック輸送での危険物搭載車両通行禁止の制限も少ないし、線路の重軌条化さえ完了していれば現在一般的な積載時総重量60t前後の重量級貨車も入線出来る。現に四日市 - 南松本間の石油輸送が盛んなのも中央道の危険物搭載車両通行禁止制限が影響しているし、東日本大震災の際は当時現存していたタキ38000形軽量貨車による迂回石油輸送は「非常時にも使える線路さえあれば大量輸送を可能」とした有名な事例だ。勿論、鉄道貨物輸送に移行するにしてもダイヤ面や貨物列車を運転出来ない路線の事情、新形式貨車の開発など課題は多いが。

  3. 北海道には行ってみたい場所。ただ、後期高齢者には運賃が気になる。外国のように旅客列車を機関車の後ろに3両?程度接続,人を貨物列車並みに接続料金も安く走らせないかと思ってま

  4. 個人的にも物流をもっと鉄道貨物に担ってほしいと思っています。なにか出来ることはないのでしょうか。

    歯がゆかったり心配だったりする事は、鉄道貨物の操車場や貨物線が廃止され市街地等に転用されている事。私の地元にも広大な操車場や貨物支線があったが再開発されたり某大型商業施設にされたりしている。これで鉄道貨物の利用を促進できるのだろうか。トラック輸送を敵対視するつもりではないが、場合によっては道路や自動車物流の施設を鉄道用に造り変えるような措置も鉄道貨物を増やすために必要になってくるのでは?また、「デュアルモードビークル」を貨物列車やトラックに応用するのも良いと思う(JR北海道はDMVに関するデータの提供には協力すると言っていたので、DMVの可能性が100%なくなったわけではない)

    この他
    鉄道貨物の「ビジネスモデル」の一つとして、旅客鉄道車両を用いた「貨客混載」型の列車ももっと普及して良いと思う。その際JR貨物が鉄道貨物を運営するのか?あるいはその路線の旅客鉄道会社が鉄道貨物を運営するのだろうか?