札幌~福岡間を43時間で走破 JR貨物「最長距離列車」はどのように運用されている?

鉄道貨物は増加傾向「さらにシェア伸ばしたい」

――乗務員は貨物を引く牽引機をいつ、どのように知るのですか。

志水さん「乗務員は当日、機関車の車種を知ることになります。日本海縦貫線であればEF510、東海道であればEF64、EF65(1300トンは牽引できない)、EF66-0、EF66-100、EF200、EF210、EF210-300など線区によってある程度特定されるほか、国鉄型機関車は72時間ごと、JR型機関車は96時間ごとの点検が義務付けられており、検査場までの運転時間や荷物量を考慮して決められます」

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北海道新幹線の開業に伴って開発されたEH800形電気機関車(写真出典:JR貨物)。

――なるほど、当日知ることになるのですね。乗務員の方はどのようにして元の機関区に戻るのでしょうか。

志水さん「『何時間乗務した後は何時間休憩する』『夜の乗務が多く連続しない』など、乗務員のスケジュールは緻密に組まれています。その上で往路もしくは復路の貨物列車がない場合は、別の貨物列車の機関車の助士席や、反対側の運転台に座って帰ります。ただし、ちょうどよい貨物列車がない場合は旅客列車を使用します。青函トンネル区間の場合は新幹線の利用も認めています。このような場合は、貨物列車で帰る場合も旅客列車で帰る場合も『便乗』と呼びます」

――ありがとうございます。それでは最後にJR貨物の今後の展望を教えてください。

志水さん「近年、鉄道貨物は増加傾向にあるので、鉄道が貨物輸送に占めるシェアをさらに伸ばしたいです。ただ旅客列車の合間を縫って運行するため、ダイヤに制約があるのがネックです。ブルートレインが廃止になったときは、貨物でも速いダイヤを設定できるよう一部区間で110km/h走行できるスジ(列車の枠)をJR各社に融通してもらったこともあります」

志水さん「これまでは600km以上の長距離貨物が強みでしたが、近年300kmほどの中距離貨物に対する需要が増加傾向にあります。また、定時運行率は高い水準を維持しており、地球に優しい鉄道貨物をPRしています。さらに、特定企業専用の貸し切り列車も運行しており、福山通運であれば東京~吹田間、東京~東福山間の計2往復、トヨタ自動車であれば名古屋南貨物~盛岡貨物ターミナル間の1往復、佐川急便であればスーパーレールカーゴ・東京~安治川口間の1往復があります」

【了】

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コメント

4件のコメント

  1. 機関車の車内にトイレを設置する考えは無いのだろうか。中線などでの長時間の待避時に列車から離れる事無く用足し出来る安心感は大きいと思う。その場合は許可無しで使用出来るように配慮してトイレ内でも指令所と連絡が取れるようにする事が必要だけど。

  2. 貨物列車に対する世論の見直しは遅すぎる程で、JR移行前後から110km/h運転の可能なコンテナ列車や95km/h運転の石油輸送列車に対応出来るように高速運転対応車両の開発が進められてきたし、途中駅での頻繁な解放作業を省略出来るように化成品輸送のタンクコンテナによる集約輸送にも力を入れていた。別にトラック輸送を批判する意図は無いが、昨今の労働環境や道路事情、事故発生時のリスクを勘案しても明確な基準の制定された貨物輸送の方が輸送効率・輸送量・定時性で優れている部分が多いし、余程の危険物で無い限り輸送品目を問わないからトラック輸送での危険物搭載車両通行禁止の制限も少ないし、線路の重軌条化さえ完了していれば現在一般的な積載時総重量60t前後の重量級貨車も入線出来る。現に四日市 - 南松本間の石油輸送が盛んなのも中央道の危険物搭載車両通行禁止制限が影響しているし、東日本大震災の際は当時現存していたタキ38000形軽量貨車による迂回石油輸送は「非常時にも使える線路さえあれば大量輸送を可能」とした有名な事例だ。勿論、鉄道貨物輸送に移行するにしてもダイヤ面や貨物列車を運転出来ない路線の事情、新形式貨車の開発など課題は多いが。

  3. 北海道には行ってみたい場所。ただ、後期高齢者には運賃が気になる。外国のように旅客列車を機関車の後ろに3両?程度接続,人を貨物列車並みに接続料金も安く走らせないかと思ってま

  4. 個人的にも物流をもっと鉄道貨物に担ってほしいと思っています。なにか出来ることはないのでしょうか。

    歯がゆかったり心配だったりする事は、鉄道貨物の操車場や貨物線が廃止され市街地等に転用されている事。私の地元にも広大な操車場や貨物支線があったが再開発されたり某大型商業施設にされたりしている。これで鉄道貨物の利用を促進できるのだろうか。トラック輸送を敵対視するつもりではないが、場合によっては道路や自動車物流の施設を鉄道用に造り変えるような措置も鉄道貨物を増やすために必要になってくるのでは?また、「デュアルモードビークル」を貨物列車やトラックに応用するのも良いと思う(JR北海道はDMVに関するデータの提供には協力すると言っていたので、DMVの可能性が100%なくなったわけではない)

    この他
    鉄道貨物の「ビジネスモデル」の一つとして、旅客鉄道車両を用いた「貨客混載」型の列車ももっと普及して良いと思う。その際JR貨物が鉄道貨物を運営するのか?あるいはその路線の旅客鉄道会社が鉄道貨物を運営するのだろうか?