「完全受注生産」の消防車、その値段は ポンプ車は「泡」が人気?

地域の特性などにあわせて、1台ずつ完全受注生産で造られている消防車。その最近の傾向や値段などについて、消防車を造る艤装(ぎそう)メーカーに聞いてみました。

多種多様な消防車

 火災を消す赤いクルマといえば消防車ですが、実は1台1台すべてが完全受注生産であることをご存じでしょうか。

 2016年4月1日現在、全国には733の消防本部があり、2000を超える消防団がありますが、すべての組織が同じ条件で活動しているわけではありません。高層建築が多い地域や木造住宅が多い地域、林野火災や船舶火災が発生し得る地域、冬の寒さが厳しい地域など、その特徴や傾向はさまざまです。

 このような背景から、消防車は地域の特性などにあわせてポンプや照明、水槽、資器材を入れる棚のつくりなどが細かくカスタマイズされています。

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火災を消すための消防車。2015年の総出火件数は3万9046万件で、これはおよそ13分に1件の頻度で火災が発生した計算になる(写真出典:photolibrary)。

 一口に「消防車」と言っても、ポンプ車やはしご車、救助工作車、特殊災害対策車など多くの種類があります。そのうち最も多くを占めるのがポンプ車(消防ポンプ自動車)です。基本的にはポンプを積載しており、消火活動の際には吸管を消火栓や防火水槽などに入れてポンプで水を吸い上げ、放水する仕組みを有しています。

 日本の消防車の半数強を造っているモリタによると、ポンプ車の場合、消防本部における年度予算の関係から、例年4月から7月にかけて入札があり、受注と艤装(ぎそう。各種装備を車体に取り付けること)などを経て、12月から翌年2月に納車するスケジュールが多いとのこと。1台あたりの相場は3000万~4000万円といいます。

 近年は必要に応じて、水と圧縮空気泡消火装置(CAFS)を用いた消化泡に切り替えられるポンプ車の注文が多いそうです。CAFSとは、水に少量の泡消火薬剤を加え、圧縮空気を送り込んで発泡させる装置。水でなく泡であることから飛び散りが抑えられ効率良く消火活動ができるとともに、使用する水も少なくできるため水損被害も軽減できるなどのメリットがあります。

 消防車を見かけたら、1台ごとの微妙な違いを見つけるのもおもしろいかもしれません。

【了】

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