「都心から一番近いローカル線」が激変へ “鉄道ファンも驚きの車両譲渡”背景は? 東海道線の車両が新天地に
西武鉄道の中古車両を導入してきた流鉄は、その後継としてJR東海から211系を譲受し、再デビューさせる予定。どのような背景があるのでしょうか。
211系「流鉄譲渡」どのように決まった?
千葉県松戸市の馬橋駅と流山市の流山駅を結ぶ流鉄は、路線延長5.7km(全6駅)の比較的短い路線で、「都心から一番近いローカル線」とも言われます。流鉄は既存車両の後継としてJR東海から211系を譲受し、再デビューさせる予定。今後、大きな変化が見込まれます。

JR東海の211系は、静岡エリアの東海道線などで活躍していましたが、後継となる315系に置き換えられる形で引退しました。その一部(2両×4編成)が流鉄に譲渡され、今後改造が実施される予定となっています。なお、JR東海の211系の譲渡は、三重県の三岐鉄道に続く2社目となります。
JR東海は今回の車両譲渡の背景について、「流鉄から当社に対して譲渡要請の連絡があり、譲渡を実施した」と話します。また、「他鉄道事業者等への車両譲渡は、先方からの譲渡要望により譲渡を行っており、今後も同様の方針」とのこと。JR東海側から運用終了車両の譲渡を積極的に働きかけているというわけではないそうです。
他社から車両の譲渡を受ける場合、「まとまった数を譲受できること」「車両の置き換えタイミングが一致すること」「自社線内を走行可能な規格であること」の3点を考慮する必要があります。
流鉄ではこれまで、西武鉄道の中古車両を導入してきましたが、その後継として「条件があった車両が211系だった」(流鉄 鉄道部 運輸課)と話します。
211系は、幅が広い拡幅車体が特徴。先行して211系を導入した三岐鉄道は、JR線と貨物輸送を実施しているため、JRの車両も規格面で問題なく走らせることができました。流鉄の既存車両である5000形は、211系より車体幅が狭いストレート車体となっています。211系の導入にあたっては、「事前に地上設備の測定をし、問題がないことを確認している」そうです。
流鉄での再デビューに向け、改造が実施される211系は今後、「ワンマン化や全般検査を実施し、走行機器には手は加えない」とのこと。来年度に1編成が竣工する予定となっています。
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