ダイハツ版GT-R!「夢と狂気のストーリア」生産数わずかの超絶レア車を千葉で発見!「こりゃバケモノだわ…」

実用性の高い軽自動車を得意とするダイハツですが、今から30年ほど前に全日本ラリー選手権で勝つために、「羊の皮をかぶった狼」的なクルマを開発していました。その走りは、まさに小さな怪物そのものでした。

「ストーリアX4」の極上車が千葉の中古車店にあった!

 小排気量ながら、ブースト圧1.2kg/cm2の工場出荷値で120psもの最高出力を叩き出しました。組み合わされるギアボックスはクロスミッションの5速MT、駆動方式はフルタイム4WDのみで、前後LSDやメタルクラッチ、強化サスペンションなど、勝つために必要なパーツは標準装備されていました。

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「ストーリアX4」のリアビュー。外観上はベースとなった「ストーリア」との差は少ない(山崎 龍撮影)。

 一方、競技仕様ということで快適装備はほとんどなく、パワステやパワーウインドウ、エアコン(のちにオプションで装着可能になります)などは軽量化を徹底するために装備していません。これにより車重は840kgと軽く、小型車ベースとなったことでトレッドやホイールベースも最適化されたことと相まり、ラリーやダートトライアルで活躍しました。

 たとえるなら「ストーリアX4」は、まさに競技に勝つためのダイハツ版「GT-R」あるいは「ランエボ」といった位置づけと言えるでしょう。ただ、そこまでのストイックさゆえに、カタログモデルだったものの生産台数は月間10台ほどで、累計生産台数は約800台。しかも、その多くが競技で使い潰されたことで残存数は極めて少なく、現在では幻のマシンとなっています。

 そのような希少車が、千葉市花見川区にある「BAKUYASU AUTO(バクヤスオート)」千葉北本店にあるというので、今回取材しました。

 当該車は2000年式で、走行距離こそ16万6000kmと少々多いもののコンディションは良好です。社外ホイールと車高調整式サスペンション、社外シートが装着されている以外はほぼオリジナルのままで、修復歴はありません。そして、オプションのエアコンも装備しています。

 なお、販売価格をセールススタッフに尋ねると、車両本体価格は98万円で、支払総額は108万円とのことでした。

「BAKUYASU AUTO」では、ほかにもう1台、2001年型の「ストーリアX4」を在庫しているそうです。滅多に出会うことのない幻のマシン。「小さな怪物」に乗ってみると、クルマに対する価値観が変わるかもしれません。

(取材協力:BAKUYASU AUTO千葉北本店)

【画像】これが唯一無二の「713ccターボエンジン」です。車内の様子も

Writer:

「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に

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