B-29やレーダーに匹敵か 第二次大戦中アメリカが隠し続けた「秘密の水中兵器」とは? “技術の塊”すぎて偽名まで付けちゃった!
第2次世界大戦中、ドイツや日本の潜水艦を屠るためにアメリカが開発した音響式の誘導魚雷。じつはB-29やレーダー、VT信管に勝るとも劣らないほどの最新技術の塊でした。
潜水艦を屠るための切り札として
「海の忍者」との異名どおり、水中から忍び寄りいきなり魚雷や対艦ミサイルを放つ潜水艦。それに対抗するための、いわゆる対潜兵器といえば、かつては無誘導の爆雷や「ヘッジホッグ」に代表される対潜ロケット弾しかありませんでしたが、その後、ミサイルのように目標を追跡する誘導魚雷が登場して以降、メインはコチラに移っています。

そして、こうした対潜誘導魚雷の実用モデルが誕生したのは第2次世界大戦中のアメリカです。当時、アメリカのルーズベルト大統領は、自国を「デモクラシーの兵器工場」と称しました。確かにアメリカの工業生産力は図抜けていましたが、同国は、単にマスプロが得意というだけではありませんでした。巨大な生産能力と並行して、新技術や新兵器の研究開発にも多くのリソースを割いており、さらにイギリスとの技術交流も行って、自国の研究開発が遅れている部分の補完にも努力していました。
たとえば「未来からきた爆撃機」とも称されたB-29「スーパーフォートレス」、各種の先進的なレーダー、そのレーダーの技術応用から生まれた画期的なVT信管(近接信管)などが、こうして生み出されたアメリカならではの「最新兵器」になります。そしてもちろん、象徴的な「花形兵器」だけでなく、前述した誘導魚雷のように地味ながら未来へとつながる兵器も開発しています。
誘導魚雷が登場する前に用いられていた爆雷や前方投射用の対潜ロケット弾などは、いずれも無誘導のため、潜水艦のそばに落とさなければ効果が得られません。そのため、水中に潜む敵の潜水艦を沈めようとすると数をばら撒いて面で制圧するようにしていくしかなく、精度も低いものでした。
そのようななか、スクリューで水中を航走する魚雷を利用しようとするのは自然な動きだったといえるでしょう。魚雷に誘導能力を付与して、海中に潜む潜水艦に命中させることができれば効率よく敵潜水艦を駆ることができます。また、そのような対潜誘導魚雷を飛行機に積むことができれば、哨戒機による潜水艦攻撃能力も大幅にアップします。
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