令和のヤンキーマンガでも重要な“半世紀前のバイク”って? 「スロットル回せばウイリーしちゃう」伝説のカワサキ

1970年代中盤から1980年代初頭まで販売され、“ケッチ”の愛称でも親しまれているカワサキの2ストローク・スポーツバイクの「KH」シリーズ。「スロットルをひねるだけでウイリーしてしまう」といった逸話も語り継がれる、伝説的な名車です。

これまで数々の漫画に登場!

 後にKHシリーズは、KH90やKH125といったさらに小型なモデルも追加しています。ただし、これらはいずれも3気筒ではなく単気筒であったため、支持を獲得するには至らず、いまひとつマイナーな存在のまま姿を消していきました。

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KH250の1976年モデル(B1)。「2ストローク・3気筒」「左1本・右2本」のマフラーはマッハからそのまま継承(画像:カワサキ)

 その一方、KHシリーズのなかでも特に人気が高かったのが、250ccクラスの「KH250」です。日本未発売の初代(A5)、初期〜中期型(B1-B3)、後期型(B4-B7)に大きく分類され、モデルによって各部が大きく異なることでも知られるKH250は、結果的に1982年のシリーズ消滅までラインナップに残留しました。

 今になって考えてみると、KH250は後に隆盛を極める「2ストローク・250cc」のスポーツバイクというジャンルの草分けと言えるのではないでしょうか。このジャンルを切り拓いたKH(とその前身であるマッハ)の与えた影響は、1980年に発売されたヤマハ「RZ250」にも波及したと筆者は感じます。

 そしてRZ250のブレイクは、結果的に1980年代中盤のレーサーレプリカブームへとつながっていきました。そう考えると、KHシリーズが伝説的なモデルとして今なお多くのバイクファンに語り継がれるのも納得がいくでしょう。

 1982年の生産終了から、2025年で43年となったKHシリーズ。それまで、数々の漫画やアニメ作品などに描かれ、近年も人気不良漫画の『東京リベンジャーズ』にKH400が登場するなど、いまだに人気があります。新車当時を知らない、若い世代にも語り継がれる存在となっているKHシリーズは、間違いなくカワサキが誇る名車のひとつでしょう。

【世代を超えた名車】これがヤンキー漫画でも人気の「ケッチ」です(写真で見る)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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