「ギャル」という名のバイクに乗ったヤンキー姉さんが忘れられない 唯一無二の珍スタイル原付「ポップギャル」の伝説

1970年代後半から1980年代初頭は、レジャーバイクブームからスクーターブームへの転換期にあたりますが、そんな中でヤマハから興味深い挑戦的な原付が登場しました。それが1980年と1982年にそれぞれ発売された、タウニィとポップギャルです。

「パッソルのようなソフトバイクを男性にも」と開発されたタウニィ

 ホンダがモンキー、ダックス、ハンターカブなどで切り開いた「レジャーバイク」という原付のカテゴリーは他社にも派生し、結果的に1970年代後半までは各社とも競うように個性的な原付をリリースしました。

Large 20250506 01

拡大画像

1980年代初頭にヤマハから登場した原チャリの隠れた名作、ポップギャル(画像:ヤマハ)。

 しかし、1977(昭和52)年にヤマハがリリースした原付・パッソルによってその風向きが大きく変わります。市場にはスクーター、あるいは「女性でもバイクに気軽に乗れるように」と開発されたソフトバイクが少しずつ増えていき、1980年代に入って以降は、一大スクーターブームが巻き起こることになります。

 この1970年代後半から1980年代初頭は、まさにその転換期にあたるわけですが、そんな中でヤマハから実に興味深い挑戦的な原付が登場しました。それが、1980(昭和55)年に発売されたタウニィと、1982(昭和57)年に発売されたポップギャルです。

 前述のパッソルはソフトバイクとして登場し大ヒットに至りますが、当初のユーザーは主に女性でした。当時のヤマハでは「パッソルのようなソフトバイクを男性にも届けたい」と考え、かなり斬新なモデルであるタウニィをリリースしました。今見ると、ソリッドカラーのイエロー、ホワイト、グリーンがいかにも80年代のポップな雰囲気でかわいらしいのですが、その中身はかなりヘビーです。

 大柄な男性の体格にも合うように設計されたプレスバックボーンフレームは、かつてのレジャーバイクのような遊び心を残す一方、2.8馬力を発揮するエンジンとシャフトドライブによってかなりスポーティな走りも実現しました。

 この斬新なモデルは、発売年のグッドデザイン製品に認定されたほか、テレビCMのセリフである「いいなあ、これ!」が流行語として浸透するなど、大きな話題を呼んだモデルでもあり、まさにヤマハの原チャリとしては「隠れた名作」と呼ぶに相応しい1台なのでした。

【あれ、ここ族車っぽくね…?】ヤマハのタウニィ&ポップギャルを写真で(画像)

最新記事

コメント