一方的にボコられた「中東屈指の軍事大国」自慢の空軍戦力なぜ使わなかった? じつは自衛隊も他人事じゃないかも
2025年6月に起きたイスラエルによるイラン攻撃は戦史に新たな1ページを刻む出来事となりました。「12日間戦争」と呼ばれるこの戦闘のポイントは、イスラエルが限りなく完璧に近い航空作戦を展開した点でした。
戦力温存の結果、多くを失うことに
結論から言えば、イランは航空戦力をあえて温存したと考えられます。イスラエルの奇襲で制空権が完全に失われた以上、残存機を無理に出撃させれば瞬時に撃墜され、国家防衛の象徴的資産を失うことは必至でした。イランは、戦闘機を分散退避させ、目立った出撃を控えたと推測されます。言い換えれば、イラン空軍は「戦わないことによって生き残る」という苦渋の選択を取ったというわけです。

ですが、それは戦場において敗北を意味しました。自国上空を含む周辺空域はほぼイスラエルが支配し、戦術的に「やられたい放題」の状態になってしまいました。結果、核開発関連施設、弾道ミサイル基地といった施設はもちろん、軍や革命防衛隊の要人、核技術者に至るまで、精密誘導兵器による攻撃に対してまったく対抗することなく終わったのです。
加えて、イランの戦闘機群が沈黙を保った背景には、構造的な問題も挙げられるでしょう。主な原因は機材の老朽化が著しいことです。イランの軍用機の多くは1970年代から1980年頃に導入されたものであり、制御系統やエンジンは何度も改修されているものの、最新の装備で固められたイスラエル空軍機と対峙するのは難しい性能です。
イラン空軍には象徴的な存在としてF-14「トムキャット」がありますが、イスラエルのF-35Iと比べると、第二次世界大戦中の傑作機「零戦」と航空自衛隊現用のF-15「イーグル」を並べるのと同じだけの世代的な違いがあり、同じ戦闘機といっても全く太刀打ちできません。
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