新宿駅に「深い大穴」が…! 空から見た「乗降数世界一ターミナル」の激変ぶり 百貨店が消えた跡には何が?
新宿駅の再開発が本格化しています。小田急百貨店跡地は掘り下げられ、西口駅前広場は激変する予定です。空から見てみました。
小田急百貨店跡地に「大穴」
世界一の乗降者数を誇る新宿駅は、2046年度の完成を目指して駅と周辺の再開発が進行中です。一連の事業は「新宿グランドターミナル」と名付けられており、東西の駅前広場の再整備、東西を結ぶ自由通路デッキ、小田急百貨店と京王百貨店の建て替え、甲州街道を挟んだ南側に高層ビルの建設と、事業計画は多岐にわたります。

その再開発の模様を小型機で空から観察しました。大幅に変化しているのは、小田急百貨店新宿店本館跡地周辺です。本館跡地は「新宿駅西口地区開発」として進行中です。
本館跡地には地上48階、高さ260mの高層ビルが建設され、長さ110mほどの東西自由通路デッキが線路を跨いで建設されます。さらに「西口地下ロータリー」には工事用の仮設構台が建設されており、すでに稼働しています。
西口駅前広場はバス乗り場がありますが、2025年9月末以降、バス乗り場とメガネ形状の地下ロータリースロープの間に歩行者通路を設けます。この歩行者通路設置により、南北方向の道路を遮断。自動車等は通り抜けできなくなる予定です。大幅に車両動線が変更となるので要注意ですね。
西側から空撮すると、地下5階まで掘り下げていました。地下の動線もかなり変わっています。西口方面から新宿駅方向へ壁があってぐるっと迂回せねばならないのは、空から見たら一目瞭然です。
新宿駅西口地区開発の隣を見ます。現在は京王百貨店が営業中なので、上空からは変化がありませんが、「新宿駅西南口地区」として再開発され、京王百貨店のあるところを北街区、甲州街道を挟んだところを南街区と位置づけています。
北街区には地上19階、高さ115mのビルが建設予定です。南街区には地上37階、高さ230mの高層ビルが予定されており、北街区のビルは西口地区と南街区の高層ビルに挟まれて中層ビルが建設されます。
新宿駅の再開発はまだ始まったばかりです。西口駅前広場は2035年度、西口再開発全体は2046年度の完成予定とのことで、あと10~20数年かかることになります。再開発状況は、また来年にお伝えしましょう。
Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。
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