もう「やられたらやり返す」部隊じゃない――概算要求に見る陸上自衛隊の“変貌”

防衛省が発表した来年度の予算概算要求では、より長射程のミサイル、より遠距離の敵探知能力などに重点が置かれています。ここから、将来の陸上自衛隊の姿が見えてきます。

ヘリを置き換える無人機に「+α」の能力を

 スタンド・オフ防衛能力で整備される、長射程ミサイルや高速で飛翔するミサイルを有効に機能させるためには、攻撃目標を早期かつ正確に探知する能力が必要です。そこで、前に述べた防衛力整備計画では、現在陸上自衛隊が運用しているOH-1観測ヘリコプターとAH-1S対戦車ヘリコプター、AH-64D戦闘ヘリコプターを段階的に全廃して、「多用途無人機」という名称のUAS(無人航空機システム)に置き換える方針を定めていました。

Large 20250905 01
バイラクタルを製造するバイカル・テクノロジーズを訪問した2023年当時の鈴木量博トルコ大使(左)。バックは無人ステルス戦闘機「バイラクタル・クズルエルマ」(画像:在トルコ日本国大使館)

 陸上自衛隊はこの方針に則り、2023年8月に多用途無人機の調査を行う企業を選定する一般競争入札を行い、トルコのバイカルが開発した「バイラクタルTB2S」と、イスラエルのIAI(Israel Aerospace Industries)が開発した「ヘロンMk II」の調査を行っています。

 この時点での多用途無人機は、敵地上部隊の情報収集と敵の地上部隊への攻撃という、OH-1、AH-1S、AH-64Dが担当している任務を単純に継承すると考えられていました。しかし今回、取得費が計上された「UAV(広域用)」は、おそらく調査が行われた多用途無人機と同一のものと思われますが、“水上艦艇等を遠距離から探知する能力”も求められています。

 複数のメディアは、防衛省・自衛隊がバイラクタルTB2Sを購入することを検討していると報じています。ウクライナが運用しているバイラクタルTB2Sの原型機であるバイラクタルTB2は、ロシア海軍の艦艇に対するミサイルや無人装備での攻撃の際の目標情報収集でも有用性を実証していますので、この点が評価されてバイラクタルTB2Sの導入が有力視されているのではないかと思います。

【ド迫力!】これが陸自の「射程1500キロを目指すミサイル」発射シーンです!(写真)

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. もう「やられたらやり返す」じゃあ国民は守れないからね…

    中国の軍事力は今までと違ってかなりアメリカにも引けを取らないレベルまで発展してる。有事の際は元を潰さないと数が多く守りきれないんだよ

  2. ヤラれてからでは遅い、やる気を削ぐことが大事!

    やれば損害が大きく批判や反対が大きくなると思わせることです。

    専守防衛とは攻撃しない事ではない。

    自国の利益の為に他国を攻撃せず、自国に不利益を与える敵を攻撃する事は防衛であるので、日本を攻撃しないが良いと思わせる事が大事です!

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス