SR-71「ブラックバード」UFOの正体だった!? 公然の秘密である極秘施設であえてスルーされた噂とは

圧倒的な速さで知られるブラックバードですが、今年で就役から51周年を迎え、それにちなんだ「51」にまつわるエピソードもあります。それが、同機の組み立てやテストが、ネバダ州にあるアメリカ空軍の極秘軍事区域「エリア51」で行われていたという点です。

UFOではないが飛ば際はスペースシャトルくらい手間のかかった「ブラックバード」

 なお、このブラックバードですが、UFOではないものの、スペースシャトル並みに発進準備に手間がかかる機体として知られています。

Large 20250908 01
SR-71「ブラックバード」(画像:アメリカ空軍)

 というのも、操縦環境が非常に過酷で、U-2と同様にパイロットは宇宙飛行士と同じような与圧服を着用して搭乗していました。

 さらに、運用面でも多くの人手と準備が必要でした。SR-71は「マッハ3の飛行環境下で正常に機能するよう設計」されており、高速飛行時の高熱でチタン合金の機体が熱膨張して適正な状態になるという特性を持っていました。そのため、地上では燃料タンクに隙間があり、燃料が漏れ出すという問題がありました。このため、離陸時には燃料を満タンにせず、飛行後に空中給油を行う必要がありました。

 また、飛行中は空気との摩擦で機体全体が高温になり、コックピット内も非常に暑くなったといいます。そのため、食事は与圧服を着たままチューブから摂る方式でした。

 さらに、機体に使用されていたオイルなどの潤滑材は、耐熱性を重視して設計されていたため、地上では固体となっており、液体に戻すためには約1日がかりの準備作業が必要でした。離陸に至るまでの工程は極めて煩雑で、非常に手間のかかる機体だったのです。

 操縦面でもSR-71は、低速性能をほとんど考慮していなかったため、低速飛行時の安定性が非常に悪く、着陸時の事故リスクが他の偵察機と比べても格段に高かったとされています。

 まさに「選ばれし者」だけが操縦できる機体であり、配備から退役までの間にSR-71を操縦したパイロットは約90人ほどしかいなかったといわれています。

 結局、東西冷戦の終結とともに、これほどまでにコストと手間のかかる偵察機は不要と判断され、先に開発されたU-2よりも早く、1990年代末に退役しました。

【あ、UFO!!】いえ偵察機です…これが、間違えられた可能性のある初期U-2です(写真)

Writer:

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

最新記事

コメント