米軍向け「世界の終わりの飛行機」次世代型が飛行テスト開始! コスト抑えるための策とは?
「空飛ぶペンタゴン(国防総省)」と呼ばれたりもします。
初の試験飛行は8月7日に実施済み
アメリカ空軍に近い将来配備予定の新たな空中指揮統制機が飛行試験を開始したと、開発元のシエラ・ネバダ・コーポレーション(SNC)が2025年9月3日、明らかにしました。

これは既存のE-4B「ナイトウォッチ」の後継として取得が計画されているもので、運用組織である「サバイバブル・エアボーン・オペレーション・センター」の略称である「SAOC」の名で呼ばれています。
E-4Bは、ボーイング747-200Bをベースに開発された機体です。核戦争・大規模災害などで地上から指揮が執れない場合に備え、大統領や国家指揮権限の保持者および指揮幕僚を搭乗させ、空からアメリカ軍を指揮できるよう造られており、「Doomsday Plane(終末(世界の終わり)の飛行機)」とも呼ばれます。
2025年9月現在、E-4Bは4機配備されていますが、運用を開始したのは1974年からで、すでに50年以上使われ続けています。そのため、随時改修されているとはいえ老朽化は否めない状況です。
そこで、アメリカ空軍では2024年4月に後継機についてSNCと総額130億ドルで契約を締結しています。
同社は開発コストを抑えるため、新たなSAOCに中古のボーイング747-8を用いることを決め、大韓航空から5機購入しています。最初の機体は2024年6月にオハイオ州デイトンにある航空イノベーション技術センター(AITC)に到着、4機目も2025年4月30日に迎え入れたことを明らかにしていますが、5機目、すなわち最後の1機についてはまだATICに着いたと発表しておらず、不明のままです。
SNCによると、初の試験飛行は1か月ほど前の8月7日に行っており、完全な改造に先立ち複数回の試験飛行をすでにこなしているといいます。
今後、所要の改修が施されたうえでSAOCは2036年7月までに4機あるE-4Bの全てを置き換える計画です。なお、E-4Bと同じくボーイング747がベースのため、仮称ながら「E-4C」という名も付与されています。
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