もう廃止!? 都内縦断の「激レア・超ロング路線バス」3年で消滅 改変めまぐるしく今後どうなる?

京王バスの路線バス「050系統」が2025年9月に廃止されます。日曜・祝日に片道1本だけ、しかも山手線の内側に乗り入れるといっためずらしい路線です。都内の車窓観光も楽しめる「激レア」路線に、実際に乗りました。

都心部は030系統と重複

 新宿駅西口では、京王百貨店の前にある21番乗り場に停車し、ここで時間調整が行われました。21番乗り場は宿45系統(新宿駅西口~中野駅)も発着するため、「お乗り間違いにご注意ください」と乗務員の気遣いも見られました。

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バスタ新宿では高速バス降車口の3階に入る。写真のバスは030系統の永福町行き(柴田東吾撮影)

 新宿駅西口~バスターミナル東京八重洲間は、永福町から来る030系統と経路が重複しています。新宿駅西口で立ち客がほぼなくなりましたが、座席が埋まる程度の利用がありました。

 この先は新宿南口交通ターミナル「バスタ新宿」に立ち寄るほか、新宿御苑も経由し、これらのバス停で降りる乗客もいました。2025年現在、渋谷・新宿西口とも改良工事の真っ最中にあり、特に新宿はバス停が移動して「初見殺し」の状態にあります。バスタ新宿は高速バスのほか、JR線や髙島屋などへのアプローチも良く、時間さえ合えば使い勝手が良さそうです。

 バスタ新宿では、高速バスが4階から発車していますが、050系統や030系統は3階の高速バス降車口のフロアにあるバス停を発着します。

 新宿御苑を過ぎると、甲州街道をしばらく走り四谷一丁目に到着。JR四ツ谷駅の西側にあるバス停ですが、ここで1人、高齢者が乗車しました。

 その後、050系統は終点までノンストップです。皇居の西側・半蔵門を経由して皇居の北側を半周して大手町へ向かいます。半蔵門の北側には千鳥ヶ淵があり、春先は桜がきれいな場所でもありますが、夏場は木々が生い茂っています。

 皇居の北側にある乾門の前を通り、竹橋の毎日新聞社の交差点で皇居から離れ、神田警察通りや神田橋を通って大手町のオフィスビル街に至ります。経路が遠回りですが、これは050系統の前身となる052系統の時代にバス停が大手町グランキューブにあった名残かもしれません。なお、京王バスの大手町グランキューブバス停は2023年9月に廃止されています。

 バスは大手町交差点で左折して、皇居の大手門を背にしながら永代通りを東へ走ります。次いでJR線をくぐり、東京駅日本橋口を右手に見て呉服橋交差点で右折、外堀通りを南下して東京駅八重洲口が見えると終点のバスターミナル東京八重洲です。

 バスターミナル東京八重洲は東京ミッドタウン八重洲の地下にあり、到着した050系統のバスは折り返し030系統永福町行きとなります。実際には出発まで時間があるため、バス停を一旦離れて待機したあと、16番乗り場から030系統として発車しています。

 なお、050系統の廃止に伴い、この030系統も時刻や便数が変わります。現在は日曜・祝日に2.5往復ですが、9月28日から1往復に減る予定です。

【車窓で観光♪】これが「050系統」から見える都内名所です(写真)

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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