クラゲ大量発生で起きたことも!「ブラックアウト」の恐怖とは 海上自衛官の証言「とにかく肝が冷えた…」
自衛隊の艦艇で停電が起こることを「ブラックアウト」といいます。しかし、陸上と違い船の停電は絶対に避けねばならないトラブルのひとつだそう。その理由と復旧の手順を聞きました。
まさかのクラゲ大量発生でブラックアウトしたことも
艦橋とも常に連絡を取り合いながら主機(エンジン)を再び動かしてようやく通常運転へと戻れるのですが、ここまでは隊員の皆さんも生きた心地がしないそう。海上自衛官で夫のやこさんもブラックアウトに遭遇したことがあるそうですが、とにかく肝が冷えたと語っていました。

とはいえ、ブラックアウトから復旧しても安心はできません。原因が解決しないままだと再びブラックアウトが起きる危険があります。なので、原因調査と再発防止は最重要任務です。再発防止のため、必要があれば港に戻ったりして安全を確保します。
こうして見てみると、ブラックアウトは「ただの停電」とは比べものにならない重大なトラブル。だからこそ、機関科の隊員たちは日々厳しい訓練と整備を重ね、万一の時に即座に復旧できるよう常に備えているのです。私(たいらさおり:漫画家/デザイナー)が取材で過去に伺った海上自衛隊第2術科学校をはじめ、機関科などの専門教育を行う施設でも、施設内に注意喚起の張り紙がされていました。
これは余談ですが、停泊中も夏場は海水の汲み上げフィルターにクラゲが大量に詰まってブラックアウト…という事例もあるそう。確かに夏の一般公開などで岸壁近くにいくと、クラゲがたくさん浮いています。航海中だけではなく停泊中も気が抜けないんですね。
日本を守るため、海上自衛隊の艦艇は24時間365日、どこかしらの海を航海しています。どうか今日もご安全にと思わず祈ってしまう「海の上の大停電」のハナシでした。
Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)
漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。
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