「待望の鉄道」なのになぜか「旧来の川船」が選ばれる… 乗り心地もビミョー!? 巨大ショッピングモールアクセスの謎 タイ

バンコク市街に開業した「タイ最大級のショッピングモール」。そこは大河を渡る船便でのアクセスが中心だった“鉄道空白地帯”でしたが、待望の鉄道が開業してもなお、船便が優位なのはなぜでしょうか。

いや便利なのよ鉄道も でもなぜ選ばれない?

 理由として挙げられるのは、シーロム線から乗り換えての利用が意外に不便なこと、他方で専用シャトルボートが有料化によって混雑が解消すると同時に、案内もよりわかりやすくなったことです。

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BTSシーロム線サパーンタークシン駅の西側出口を降りてすぐのところにサトーン船着場がある。アイコンサイアムへの専用シャトルボートは左に進む(植村祐介撮影)

 チャオプラヤー川を渡ったシーロム線はかなり内陸まで走ってクルン・トンブリー駅に止まります。ここでの乗り換えには、いったん下車して改札を出て、ゴールドラインの改札を通る必要があります。

 さらにゴールドラインの運行間隔は10-16時まで(休日は10時-15時まで)が10分間隔、16-21時まで(休日は15-22時まで)が8分間隔となっているため、タイミングによっては微妙な待ち時間が発生します。

 これに対し、シーロム線でクルン・トンブリー駅の一つ前、川の対岸に位置するサパーンタークシン駅に隣接するサトーン船着場からの船のうち、専用シャトルボートであれば、所要時間は6-7分です。そのため乗り継ぎがスムーズであれば、船を選んだ人は、シーロム線でクルン・トンブリー駅まで行きゴールドラインへ乗り換える人が発車を待っているうちに、アイコンサイアムに着くことも可能なのです。

 しかもゴールドラインは、なぜかBTSの「1日乗車券」の対象外で、この区間だけ、片道16バーツ(約70円)の運賃が必要になります。一方、専用シャトルボートの運賃は8バーツ(約35円)なので、コストの面でもゴールドラインが圧倒的に不利となります。こうした複数の要因が、アイコンサイアムへの船でのアクセスを優位に押し上げているのです。

 そうは言っても、「揺れる船よりは、乗り心地が安定したゴールドラインを選ぶ人もいるのでは?」と思う人もいるのではないでしょうか。しかしゴールドラインは、その乗り心地も快適とは言い難いものです。

【船アクセスも納得!?】これが「タイ最大級のショッピングモール」です!(地図/写真)

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