「文句言うならドイツ抜きでも作れる!」次世代戦闘機「FCAS」の開発で大手防衛企業が豪語 ユーロファイターの再来!?

フランスの航空宇宙企業であるダッソーは2025年9月23日、ドイツの協力がなくとも将来戦闘航空システム(FCAS)の開発は可能であると発表しました。

単独で新型機開発は可能であると発表

 フランスの航空宇宙企業であるダッソーは2025年9月23日、ドイツの協力がなくとも将来戦闘航空システム(FCAS)の開発は可能であると発表しました。

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パリエアショー2023に展示されたFCAS(画像:フランス国防省)

 この発言は、ダッソー製戦闘機「ラファール」の部品工場の開所式において、フランスメディアがダッソーのエリック・トラピエCEOに質問した際に明らかになったものです。

 いわゆる第6世代戦闘機に位置づけられるFCASの開発は現在、フランス、ドイツ、スペインの3か国による共同プロジェクトとなっています。しかし、フランス側を代表するダッソーと、ドイツおよびスペイン側を代表するエアバスとの間で利害の対立が深刻化しており、ドイツ側からはプロジェクト離脱の可能性を示唆する発言も出ています。

 開所式の会場で、「ダッソーは単独で第6世代戦闘機を製造できるか」と記者から問われたトラピエCEOは、「答えはイエスだ」と明言。また、「ドイツが文句を言うのは構わない。もし彼らが単独でやりたいなら、そうすればいい」と語りました。

 さらにトラピエCEOは、「我々はすべてを自力でこなすことができる。この70年間でそれを証明してきた。我々にはその技術力がある」と同社の技術的自立性を強調。その上で、「高度な航空機の技術的側面を、3者がテーブルを囲んで決めるようなやり方は受け入れられない。“ベストなアスリート”(=ダッソー)が主導すべきだ」と述べ、仮に共同開発を続ける場合でも、主導権はダッソーにあるべきだとの立場を示しました。

 一方で、エアバス側もドイツ寄りの立場を崩しておらず、エアバス・ディフェンス・アンド・スペースの労働評議会トップであるトーマス・プレッツル氏は、「FCASはダッソー抜きで進行することになると思う。欧州には、より魅力的で適したパートナーがいる」と発言したこともあります。

 2017年に開始されたFCAS計画は、こうした企業間の対立により、先行きが不透明な状況が続いています。

 ちなみにフランスは、1980年代のユーロファイター「タイフーン」開発計画においても、イギリス、西ドイツ(当時)、イタリア、スペインとの合意に至らず、最終的にダッソーが独自に「ラファール」を開発したという経緯があります。

【画像】お供はエアバスが作ってる!? これが、FCASに採用される予定の「ウイングマン」です

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