「東北本線バイパス」になるはずだった? 県境を越えて走る55kmの三セク鉄道、その紆余曲折と今

福島駅と槻木駅(宮城県柴田町)を結ぶ阿武隈急行は、第三セクター鉄道としては珍しい交流電化路線です。その背景には、路線が歩んできた紆余曲折があります。阿武隈急行の成り立ちと今を紹介します。

阿武急に実際に乗車

 1986(昭和61)年、国鉄丸森線は阿武隈急行線に転換。当初はキハ22形気動車5両を国鉄から借り槻木~丸森間で開業しました。そして1988(昭和63)年、全線開通して交流電化も実現。新駅設置やJR東北本線への乗り入れなども奏功し、1993(平成5)年には輸送密度2351人を記録、全線開業時の1753人と比較して利用客は1.3倍に増えました。

 しかしその後、沿線人口の減少もあり、2023年には1299人まで落ち込んでいます。

 現在の阿武隈急行は、1日あたり福島~梁川間27往復、丸森~槻木間21往復と、地方の三セク路線としては高い利便性を持つといえます。2018(平成30)年度からは新型のAB900系電車も投入されています。

 現状を探るべく、実際に乗車してみました。列車は金曜の福島12時49分発・槻木行きの下り普通921Mです。

 福島駅では福島交通飯坂線とホームを共有しており、乗り換えが便利です。出発時点で列車には30人ほどの乗客がいました。卸町で2人下車し2人乗車、福島学院前で4人下車し8人乗車と動きがあります。瀬上で3人下車、向瀬上で1人下車し2人乗車、高子で2人下車、上保原で4人下車、大泉で4人下車し2人乗車、二井田で3人下車と、こまめに動きがあります。

 車窓は田園風景が続きます。駅間距離が短く、速度を上げたか思うとすぐ停車するという運転が続く印象です。

【絶景!?】阿武隈急行の車両と車窓を見る(写真)

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