かつて航空自衛隊も配備した「最後の有人戦闘機」次世代ミサイルの発射実験機に かなり旧式の機体がなぜ?
GE・アビエーションは2025年9月22日、ソリッド燃料ラムジェット(SFRJ)推進技術を使用した空中発射システム「ATLAS」の飛行試験機による超音速飛行に成功したと発表しました。
実は空中発射実験に適した機体?
GE・アビエーションは2025年9月22日、ソリッド燃料ラムジェット(SFRJ)推進技術を使用した空中発射システム「ATLAS」の飛行試験機による超音速飛行に成功したと発表しました。

今回の試験は、飛行中のSFRJによる空気吸入式推進技術の主要性能を実証・検証することを目的とし、将来の高速・長射程・高応答性が求められる兵器システムに向けた、重要なステップとなりました。
この実験は、GEが進める高速・極超音速推進技術への広範な投資の一環でもあります。
ATLASの発射母機としては、F-104「スターファイター」が使用されました。同機は日本でも「マルヨン」の愛称や「最後の有人戦闘機」と称された機体として知られ、1962年に航空自衛隊に配備されてから1986年まで運用されていました。
F-104は古い機体ながら、細く抵抗の少ない胴体形状を持ち、外部に実験装置を装備しても空力的に安定しているため、空中発射試験機として非常に適しています。
今回の試験では3回の空中飛行が実施され、いずれもATLASは超音速に到達することに成功しました。
SFRJは、従来のロケットエンジンよりも燃費が良く、より長距離を飛行できる点で注目されている推進技術です。特に弾道軌道ではなく、大気圏内を水平に長く飛行できる点が特徴で、マッハ3〜5程度の高速ミサイルや、マッハ5を超える極超音速兵器の実現において大きな利点となります。
これにより飛行経路や到達タイミングの予測が困難になり、従来の防空システムでは迎撃が難しくなると期待されています。
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