「東京駅にあまりに似すぎた埼玉の駅」なぜ?→理由が納得! 単に「パクった」じゃない“深すぎる縁”
埼玉県にある深谷駅は、その外見が東京駅の駅舎とそっくりなことで知られています。なぜこのようなことになったのでしょうか。実は単なる“パクリ”というわけではありませんでした。
現在も深谷駅に残る鉄道遺構
また、深谷駅自体も東京駅建築やレンガ工場自体の物流拠点として活躍しています。レンガ工場で生産されたレンガは、当初は小山川の船を使って運んでいました。しかし、より効率的な輸送を行う為に鉄道が利用されることになり、上敷免村の工場から深谷駅までレンガ輸送専用の鉄道線が敷かれました。区間にして約4キロメートルのこの鉄道線は民間線としては初めての線路となり、1960年代まで使われ続けたのです。

2025年現在はレンガ工場が閉鎖されたため、専用線は撤去されていますが、その跡地は「あかね通り」として遊歩道・自転車道に整備されています。また、途中にあった福川に架けられた福川鉄橋は、日本最古のプレートガーダー橋として移設・保存され、現在は「ブリッジパーク」として公開されています。
レンガ工場の敷地内には、レンガ製造に使用されたホフマン輪窯や事務所、変電室なども現存し、以前は見学も可能でした(現在は修復工事中で、令和9年度中に再公開予定です)。
このように深谷市は、レンガ製造という歴史を通じて東京駅と深いつながりを持っています。その市の玄関口である深谷駅が「ミニ東京駅」となったのも、単なる模倣ではなく、むしろ“本家”としての誇りが込められているといえるでしょう。
駅周辺には当時の赤レンガで作った建築物がいくつか残っており、もし深市を訪れた際には、駅舎を見るだけでなくこれら歴史的名所や「あかね通り」の線路跡を散策するのもオススメです。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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