アメリカや中国などをリード?「無人戦闘機」が対空ミサイルを発射し 有人機のF-16を撃墜扱いに トルコ

無人戦闘機「バイラクタル・クズルエルマ」が飛行試験中にトルコ空軍のF-16戦闘機を標的としてロックオンし、国産空対空ミサイルによる模擬射撃で撃墜判定を得ました。

有人機との飛行試験で実施

 トルコの防衛企業バイカルは2025年11月20日、無人戦闘機「バイラクタル・クズルエルマ」が飛行試験中にトルコ空軍のF-16戦闘機を標的としてロックオンし、国産空対空ミサイルによる模擬射撃で撃墜判定を得たと発表しました。

Large 20251128 01

拡大画像

対空ミサイルの模擬弾を搭載したバイラクタル・クズルエルマ(画像:バイカル)

 クズルエルマはステルス性を備えたジェット推進の無人機で、報道によれば最大速度は約900km/hとされ、超音速機ではないものの高い機動性を持つとされています。将来的には空母運用や超音速飛行も視野に入れられています。

 今回の飛行試験では、トルコ国産のAESAレーダー「MURAD」を用いて標的となるF-16をロックオンし、国産空対空ミサイル「ギョクドアン」を用いた模擬発射で直撃判定を達成したとしています。

 射撃は約48km離れた位置から実施され、有視界外射程戦闘(BVR)環境下での試験でした。これにより同機は、視程外空対空攻撃能力を備えた無人機として、有人戦闘機を撃墜し得ることを示す重要なマイルストーンを達成したことになります。

 また、F-16との編隊飛行も行われ、有人戦闘機との共同作戦能力が確認されたといいます。

 バイカルは、クズルエルマを早ければ2026年にもトルコ軍に納入する可能性を示唆しています。もし量産が実現すれば、この種の無人戦闘機としてはアメリカ、ロシア、中国などの航空宇宙大国に先駆けて量産体制に移行することになります。

【画像】対空ミサイルを積みF-16と飛行するバイラクタル・クズルエルマ

最新記事

コメント