なぜ100馬力超の軽自動車ない? 日本企業がエンジン出力で横並びな理由 キャンプブームで潮目変わるか?
基本的に軽自動車のエンジン出力は最大64馬力となっています。長らく続いているこの処置ですが、今後変わる可能性はあるのでしょうか。
出力64馬力では厳しい車種あります
ただし、軽自動車の自主規制が半永久的に続くとも限りません。最近の軽自動車の売れ筋は、背の高いトールワゴン系のモデルです。車体が大きくなるのに比例して、その車体重量も1t近くになってきています。

前述したアルトやミラといった1980年代の軽自動車が700kg(0.7t)程度だったことを考えると、ユーザーとしても64馬力で足りないと感じる場面は当時より増えているでしょう。
また、最近では軽自動車を改造してキャンピングカーにする事例が増加しています。これら軽キャンピングカーの価格は500万円前後。普通の家庭でも手を出しやすく、人気を集めています。
しかしキャンピングカーに改造すれば、車重はさらに重くなり、走りにも影響が出ます。実際、キャンピングカーイベントで筆者が取材していると、出展者から「走りを不安視するユーザーは多い」という話を耳にすることがあります。ゆえに、中には実際にエンジンを強化して走行性能を高めているキャンピングカーメーカーもありました。
このように、軽自動車の馬力増加が望まれる場面も一定程度存在するのが事実です。まだまだ64馬力に留めるメリットは大きいのだろうと推察されるものの、実用性などを総合的に鑑みて、今後この自主規制を取りやめるメーカーが出てくる可能性は捨てきれないと言えるでしょう。
Writer: 鈴木伊玖馬(乗りもの好きライター)
愛知県生まれ。飛行機が好きで航空博物館などを取材するうち、自動車関係の記事や取材も手がけるようになる。ホンダ「シビック Type R」のようなホットハッチが好み。
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