「ピンクの新京成」まだ健在? 合併から半年、京成松戸線はどれくらい“京成カラー”に染まったか

新京成電鉄が京成電鉄に吸収合併されてから半年が経過しました。新京成線だった現在の京成松戸線で、かつてのピンクの電車はどれくらい見られるのか探索してみました。

車両以外にも「新京成の名残」を発見

 8900形には今のところ京成カラーは現れていません。千葉線へ乗り入れることができないなど、運用上の制約がある8900形はいずれ3200形で置き換えられるのでは、という噂も聞かれます。実際どうなるのかは分かりませんが、8900形の京成カラーもちょっと見てみたいですね。

 10月上旬には80000形80046編成も京成カラーになりました。各形式の現況を見てみると、ピンク塗装の編成は

・8800形:13編成中9編成(うち1編成は京成カラーへ変更中)

・8900形:3編成中3編成(うち1編成は京葉ガスのラッピング)

・N800形:5編成中2編成

・80000形:5編成中2編成

という陣容です。京成カラーは今後も少しずつ増えていくでしょうから、各形式のピンクをコレクションしておくなら今のうちが良さそうです。

 他にも、新京成の名残などを観察してみました。

 案内表示にピンクの主張が残る松戸駅ホームは、ピンク塗装や復刻塗装の電車が並ぶと一昔前に戻ったかのよう。京成カラーの車両が滞在しているシーンには、まだ新鮮さを感じます。ピンクと京成カラーが並ぶ光景も過渡期ならでは。

 京成津田沼駅から新津田沼・谷津寄りの踏切の方向指示器は、すぐに「松戸線」表示になったことは以前お伝えしました。ただし、付近にある「踏切利用の皆様へ」の案内には「新京成電鉄(株)」の文字が。また、松戸駅では改良工事が行われていますが、平面図の中には「新京成」の文字を見ることができます。

 これらは合併前に作られたものの名残ですが、久しぶりの「新京成」の文字にはちょっぴり懐かしさを感じました。

 そして新京成時代の名物ともいえた、電車を模した自動販売機。鎌ヶ谷大仏駅のものは今も8900形のペイントをわずかに残しており、電車型であったことを主張しています。この自販機では8900形の旧塗装が再現されていたので、いつか京成カラーの8900形が登場した時に共演したら面白いだろうな……。そんなことを思いながら、京成カラーになった8800形が通り過ぎていくのを眺めていました。

 なお、冒頭で紹介した京成電鉄パッケージの「ランチパック」の発売期間は、10月31日までの予定とのこと。気になる方はお早めに。

【まだある!】京成松戸線に残る「新京成」(写真)

Writer:

幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。

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