「こ、この手で“列車”を運転している…」この高揚感! 日本一寒い町にある「日本最長の保存鉄道」を体験

北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の廃線跡を活用した「りくべつ鉄道」では、全国から運転体験を希望する人々が訪れ、リピーターも定着しています。

「この『メーテル』は特にクセがある」

 運転体験コースは駅構内を往復するSコース、講習と点検なども含めたLコース、1.6km先の駅構外へと運転する銀河コースと、2.8km先へ行く新銀河コース、分線駅までの5.7kmを運転する分線コースがあります。

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廃線跡と国道がまたぐ所では、りくべつ鉄道の走行シーンが眺められる。前面のドアは開放されていたが、銀河線の現役時代を連想させる光景だ(橋本晶子撮影)

 駅構外へ出るコースはL、銀河、新銀河と運転体験を重ねることで予約可能となります。動かすのは本物の鉄道車両ゆえに、安全のため駅構内で体験した後ではないと構外へ運転できません。

「同じ車両なのだけれどもブレーキのクセが違ってね。この『メーテル』は特にクセがある」

 運転を指導する元JR貨物OBの方が、指導の合間で教えてくれました。同形式の車両といえども個体によってクセがあると、多くの鉄道マンが言っていたことを思い出します。

 りくべつ鉄道では銀河線で使用したCR70形とCR75形が6両在籍し、そのうち3両が常時稼働状態です。「メーテル」とは、銀河線時代に松本零士氏監修によって『銀河鉄道999』の特別塗装が施された2両を示します。

 筆者(吉永陽一:写真作家)がSコースを体験してみたところ、駅構内を往復するメーテル車のブレーキ弁を操作すると、ググッと後からブレーキが掛かりました。確かにクセがありそうです。ブレーキの調整は整備しているが、どうしても個体差が生まれるそうです。

 運転体験は人生初。博物館のシミュレーターとは異なり、運転する自らの手によって車両が“動いている”と五感で実感し、心の高鳴りと、車両が実際に動くことへの驚きと焦りが交錯します。と同時に、旧分線駅までの一駅といえども、実際に列車が運行していた区間をリアルに運転する高揚感と緊張感はいかほどか計り知れません。

「9割以上は首都圏や各都市圏からの来訪ですが、札幌からも増え、家族ぐるみで運転する方もいらっしゃいます」と、りくべつ鉄道事務局長の杉本武勝さん。Sコースは小学生から運転体験ができ、15分間3000円(予約優先)という気軽さから家族連れにも人気です。

【車窓に牛】5.7kmの体験運転を見る(写真)

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