日本参入する英国「超リアル鉄道ゲーム」開発責任者の“鉄道史観” ただ新作は「地下鉄レースゲーム」!?

鉄道運行シミュレーションゲーム『Train Sim World6』の開発責任者が単独インタビューに応じました。今後、「超リアル」な鉄道ゲームは別機軸での活路も狙いつつ、あわせて全く別次元の「ゲームらしいゲーム」も展開するといいます。どのような意図があるのでしょうか。

「超リアル」の鉄道ゲームは今後どうなる?

 鉄道運行シミュレーションゲームの世界大手Dovetail Gamesがこのほど、バーチャルであることを忘れて運転士になりきって列車を運行できる『Train Sim World6』を発売しました。単独インタビューに応じた開発責任者マット・ペドルスデン氏は、今後は「超リアルを追求する鉄道シミュレーションゲーム」と、「リアルとは全く別次元」で「あらゆる規制を取り払ったようなゲームらしいゲーム」の2本の柱で開発を進めていくことを明かしました。なぜそう考えたのでしょうか。

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『Train Sim World』の開発中画面。JR只見線は2026年春に発売予定(画像:Dovetail Games)

 Dovetail Gamesは、英国ケント州に本社がある2008年創業、従業員約200人の企業です。同社の今までの主力商品は、「超リアル」を追求したシミュレーションゲームでした。特に2017年に発売した『Train Sim World』シリーズは、そのリアルさがファンの心をつかみました。

 写実性を実現するために、「時にはアメリカ航空宇宙局(NASA)が提供している地形データも使ったり、ファンからの要望に応えて新機能を加えたり、調査のために開発スタッフを現地に行かせたりする」とペドルスデン氏は説明しました。

 2025年10月1日に発売された同シリーズ最新作『Train Sim World 6』の提供を受けた筆者(赤川薫:アーティスト・鉄道ジャーナリスト)は、試しに今までに乗ったことがある路線をいくつか選んで運転してみましたが、そのリアルさに思わず、自分が過去に撮った写真とゲームのスクリーンショットを見比べてみたほどでした。

 そして、この先、ますます鉄道ゲームが進化すれば、激混みの鉄道イベントで雨に濡れながら場所取りをしたり、長時間スタンバっていた撮影スポットに傍若無人な人がやってきてストレスを溜めたりする必要はなくなるのかもしれない、とさえ思ったのです。

「まだまだリアルさを極める計画はたくさんある」とペドルスデン氏は胸を張ります。

 ますますリアルに進化するとなると、気になるのが自動運転の存在です。列車の自動運転が普及すると「運転シミュレーション」の存在がなくなってしまうのではないかと思ってしまいます。

 しかし、開発責任者のペドルスデン氏は「(秒刻みで定刻であることが期待される)過密な区間では運転士がいても自動運転に切り替えることが増えている」と認めつつ、「自動運転がいくら普及しても、運転士が鉄道から完全にいなくなることはない」と断言しました。

【超リアルだけど非現実】新作『Metro Rivals』のスクリーンショット(画像)

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