やる気満々!?「戦艦トランプ」は一体どんなフネになるのか 「砲弾は安い」「アルミじゃ溶ける」発言から見えるその姿
アメリカのトランプ大統領が、アメリカ海軍への「戦艦」復活は有力な選択肢の一つだと述べました。かつてのアイオワ級の再就役ではなく、全く新しい軍艦の建造を示唆していますが、まったく不合理というわけでもないようです。
もう世界に「戦艦」は存在しないのに
アメリカのドナルド・トランプ大統領は2025年9月30日、バージニア州のクワンティコ海兵隊航空施設で行われたアメリカ軍幹部が集まる会議の席上、アメリカ海軍への「戦艦」の復活は、有力な選択肢の一つだと述べました。時代錯誤ともとれる発言の真意は、いったい何なのでしょうか。

戦艦とは、大規模な砲撃戦で強力な相手に打ち勝つことを目的に設計された、強力な艦砲と堅牢な装甲を持つ軍艦の艦種の一つです。
日露戦争(1904~05年)で行われた日本海海戦では大日本帝国海軍の聯合艦隊が、ロシア帝国海軍のバルチック艦隊に大きな損害を与えています。バルチック艦隊の喪失の衝撃が、ロシア帝国が大日本帝国との講和に踏み切る大きな要因になったと言われています。
日本海海戦の結果が物語るように、戦艦が隆盛を極めた19世紀から20世紀半ばにかけては、砲撃戦主体の大規模な海戦の勝敗が、戦争の帰趨を決めると考えられていました。このため戦艦は各国の軍事力の象徴的存在であり、現在の核兵器と同様、世界のパワーバランスを左右する戦略兵器と見なされていました。
しかし第二次世界大戦(1939~45年)において、イギリスのタラント空襲や大日本帝国海軍の真珠湾攻撃などで、航空戦力の戦艦に対する優位性が実証されたことから、大戦終結後も戦艦を保有していたイギリスなどは、運用コストの高さも相まって次々に手放しています。
アメリカのみ、第二次世界大戦中に建造されたアイオワ級戦艦4隻を、冷戦時代に改装を加えた上で現役に復帰させています。現役復帰したアイオワ級はレバノン内戦(1975~90年)や湾岸戦争(1991年)などで相応の働きを見せていますが、湾岸戦争を花道に退役しました。現在、世界に戦艦という艦種の軍艦を保有している国はありません。
4隻のアイオワ級は記念艦として保存されています。このためトランプ大統領の発言を受けて、一部のメディアでアイオワ級を再就役させるのではないかと報じましたが、トランプ大統領の言う「戦艦」は、アイオワ級の再就役ではなく、まったく新しい軍艦を建造するという話のようです。
画像ギャラリー2枚目のキャプション『左が大和型、右がアイオワ級(アメリカ海軍の画像を加工)。』となっちるが、左右逆と思われますが、校正はしっかりやられているのでしょうか。御社記事の正確性が疑われます。2025年10月22日、16時38分投稿