「ぜんぶEVバスにしようと思う」 20年間“中古車だけ”のバス会社首脳が宣言! 旧型バス天国が激変? 採用メーカーは“即答”

九州には、バス愛好家にとって垂涎の的の旧型路線バス車両が多く活躍している運行会社があります。その一つのトップは今後、EV(電気自動車)バスの新車を導入して置き換えていくことを明らかにしました。

「買いまくってきた」中古バスをやめる

 鹿児島県の路線バス会社、鹿児島交通などを抱えるいわさきコーポレーション(鹿児島市)の岩崎芳太郎会長が2025年10月に筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)のインタビューに応じ、今後購入する路線バスを「ぜんぶEV(電気自動車)バスの新車にしようと思う」と明らかにしました。さらに、導入するメーカーを質問したところ、即答しました。

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鹿児島市中心部を走る鹿児島交通のいすゞ自動車の1997年式「キュービック」(大塚圭一郎撮影)

 鹿児島商工会議所会頭、鹿児島県バス協会会長なども務める鹿児島経済界の重鎮である岩崎氏は、鹿児島交通をはじめとするいわさきグループの路線バスについて「この20年間は新車を買うのをやめ、ずっと東京の大手バス会社などの中古車を買いまくってきた」と振り返りました。

 鹿児島交通では、バス愛好家にとってはたまらない旧型バスが今も多くの路線で活躍しています。筆者はいすゞ自動車の中型バス「キュービック」97年式が鹿児島市中心部を走る様子や、霧島市で運行中の日野自動車の中型バス「レインボー」94年式を目撃しました。

 それでも、大手バス会社の中古車からEVバスの新車導入に切り替えるのは「ディーゼル(エンジンを搭載した)バスの中古車がなかなか出てこなくなったからだ」と説明しました。

「東京の大手バス事業者は8年とか、10年とか使って他社に売っていたが、今はバス大手もなるべく長く使おうという話になっており、(国内バス最大手)西日本鉄道も20年使う時代になった」(岩崎会長)

 国は脱炭素化対策として、走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しないEVバスの購入に国や自治体の補助金が支給しているため「イニシャルコストが下がり、ランニングコストも高くない」と指摘。岩崎氏は「僕は地方のバス会社の決め手はEVだと思っている」と強調しました。

【これです!】鹿児島交通などで導入する「国産でも中国製でもないEVバス」(写真)

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