「全電車を10年以内に“VVVF化”せよ」それは現実的なのか? 大手私鉄の達成率を比較したら「さすがに無理じゃね…?」

国土交通省から、2035年までに主要鉄道事業者の全車両をVVVF化するという素案が示されました。そこで大手私鉄16社の「VVVF化率」を調査。結果からは、各社まちまちながらも東西で異なる傾向となりました。

すでに6社が「100%」達成

 大手私鉄16社でVVVF化の割合を単純に計算したところ、VVVF化率100%をすでに達成している事業者が6社ありましたが、いずれも関東でした。

 なお、計算にあたっては営業運転に用いる車両を対象とし、機関車や検測車などの事業用車両は除いています。また、東京メトロには引退した車両にVVVFではない車両がありますが、これも除いています。このほか、東武の「SL大樹」の車両や、ケーブルカーの車両も除いています。なお、電車にはモーターのない車両もありますが、VVVF車両と常時連結している状態であれば、VVVF車両の一部として計算しています。

 関東では、東武・西武・京成の3社がVVVF化を完了していない状態です、このうち、西武は2030年度までのVVVF化100%達成を目指して、「サステナ車両」と呼ぶ他社から譲受したVVVFインバータの車両を導入するほか、新造車両への置き換えを進めています。京成も新型3200形への置き換えが進行中です。

 関東でVVVF化率が最も低いのが東武で、6割程度に留まっています。同社は、新型の80000系を野田線(東武アーバンパークライン)に投入して、2028年度までに同線はVVVF化率が100%となる見込みです。

 また、東上線には2026年から新型90000系を投入するほか、大師線での自動運転の検証に関連して新形車両を導入する予定です。さらに、同社の長期経営ビジョンでは新型特急車両の開発も予定しています。これらの施策によってVVVF化率が上がることは間違いないでしょう。

 中京地区は、名鉄のVVVF化率が6割台です。近年は新車を毎年投入して車両の置き換えを進めており、2026年度には新型500系を豊田線などに投入する予定で、VVVF化率が上昇する見込みです。

【東高西低】VVVF化が進む各社車両と達成率まとめ(写真と一覧表)

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コメント

1件のコメント

  1. 鉄道車両なんて、何十年という寿命があるんでしょ。

    それを、全取っ替えなんて、どうせ役立たずの役人が考えたこと。キニシナイ気にしない。そのうち、世の中も変わるし決めた役人のほうが居なくなるよ。