日本のEVバス「シェア7割のメーカー」が新型を発表! ついに“死角ゼロ”のフルラインナップを実現へ

JMS 2025で中国メーカーのBYDが新型EVバス「J7」を展示。日本の路線バスの「中型」サイズをEVでフルカバーします。その実力と戦略はどのようなものでしょうか。

日本専用モデル「J7」EVバスの実力

 新型「J7」は、日本の道路環境に最適化された日本専用モデルです。車体寸法は全長8990mm、全幅2300mm、全高3205mmとなっており、日本の中型路線バスの標準規格に合わせた設計が特徴です。

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BYDの新型EVバス「J7」(宇野 智撮影)

 バッテリーは、BYDが独自開発したリン酸鉄リチウムイオン(LFP)採用の「ブレードバッテリー」を搭載。容量は216kWhで、バッテリーを車両の天井部分と後部に配置することにより、車室内の「フルフラット」構造を実現しました。これは国土交通省認定のノンステップ仕様に準拠しています。

 航続距離は、公式仕様で200km(GB/T規格)とされています。充電は日本のCHAdeMO規格に対応し、約3時間で完了します。足回りには快適性と安定性を両立するエアサスペンション(前後)を採用しています。

 乗車定員は仕様により異なり、都市型で58名(座席19+立席36ほか)、郊外型で54名(座席21+立席28ほか)です。価格は3650万円で、2024年1月から予約受付を開始しています。

 プレスデーにブースの説明員にハナシを聞いたところ、J7の納車開始は「今年の12月(2025年12月)からを予定している」との回答でした。

 また、航続距離について、「冬場の暖房使用時で170kmぐらい」というユーザー(バス事業者)からのフィードバックがあるとのことで、実用面に問題はなさそうです。

 BYDは日本国内のEVバス市場でシェア7割を達成し、今回のJ7投入で前述したように小型から大型までの全ラインナップが揃いました。日本の路線バス電動化において、BYDは存在感を高めていきそうです。

【外国車って思えない!】これがBYDの新型EVバスの車内です(写真)

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エヴァンジェリストとは「伝道者」のこと。クルマ好きでない人にもクルマ楽しさを伝えたい、がコンセプト。撮影、執筆、編集をすべてこなし、取材や試乗で日々日本全国を駆け巡っている。鉄道、航空機、船舶など乗りもの全般、交通にも造詣が深い。

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