「ロマンスカーはこうでないと!」 引退してもなお「かつてのロマンスカー」が人気のワケとは
乗りものニュースで実施した「ロマンスカー」に関するアンケートでは、引退した車両の人気が高い傾向にありました。その理由はいったい何でしょうか。
テーマは“超高速”新幹線のルーツに
「乗りものニュース」では、2025年9月5日から12日にかけて、ロマンスカーに関する読者アンケートを実施しました。ランキングでは、現役のロマンスカーよりも、すでに引退したロマンスカーの人気が高い傾向が見られました。
ロマンスカーは1957年の「SE」登場から現在にかけて、9種類もの車両が登場しています。
初代ロマンスカー3000形「SE」については、「ロマンスカーの原点」(40代・男性・首都圏在住)であると同時に、「新幹線のルーツ」ともいわれています。「SE」は小田急と、高速鉄道(後の新幹線)の実現を視野に入れていた国鉄が技術協力を行い、その技術が0系新幹線に役立てられた経緯があるからです。
「脆弱な軌道でいかに速く快適に走ることに特化し無駄が感じられない。床面の低さでは現在も比肩する高速電車は存在しない」(60代・男性・首都圏在住)という意見も。新宿~小田原を60分で結ぶことを目指し、開発段階から一般車への転用は想定されていませんでした。「SE」には、後のロマンスカーの指針となる特徴が多く盛り込まれています。
まず、流線形の先頭部には空気抵抗を減らすため、航空技術を応用した当時の最新技術が採用されました。車両の軽量化にはモノコック構造や連接構造が用いられ、連接台車は後の小田急ロマンスカーの伝統ともいえる要素となります。車体の重心が低いのは、軽量化された車体の安全性を確保するためであり、大きな特徴のひとつです。
こうした構造は「日本の鉄道技術史上画期的な車両」とする声もあり、車内についても「運転席と客席の仕切りが全面ガラスで展望もかなり良かった」(50代・男性・首都圏在住)と評価されています。
●もう一つの特徴「前面展望席」
その後、「小田急ロマンスカーのイメージを確立した」(60代・男性・首都圏在住)といわれるのが3100形「NSE」です。
「ロマンスカーといえば前面展望席」(50代・男性・首都圏在住)
「連接の性能を生かした走りと走る喫茶室の優雅さ」(50代・男性・首都圏在住)
「NSE」では前面展望席が登場し、シートサービス「走る喫茶店」もカウンターが拡大されるなど、サービス面が強化されました。
輸送の高速化をテーマとしていた「SE」とは異なり、「NSE」ではサービスの向上が重視されました。これは、当時ほかの鉄道会社でも豪華な新型特急列車が次々と登場していたことが背景にあり、以降のロマンスカーでもサービス面に力を入れる流れが続いていきます。





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