「ロマンスカーはこうでないと!」 引退してもなお「かつてのロマンスカー」が人気のワケとは

乗りものニュースで実施した「ロマンスカー」に関するアンケートでは、引退した車両の人気が高い傾向にありました。その理由はいったい何でしょうか。

“伝統”“集大成”「これぞロマンスカー」な要素

「伝統のロマンスカーの集大成」(首都圏在住)とまでの完成度を誇ったのが、1980年に登場した7000形「LSE」です。

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10000形「HiSE」1987年~2012年(画像:写真AC)

「踏襲した新型がかっこよかった」(50代・男性・首都圏在住)

「NSEからモダンなあか抜けたデザインになった」(60代・男性・首都圏在住)

「オレンジ車体・連接台車・展望席などロマンスカーらしさがあり、かつ高級感のある内装が好き」(20代・男性・首都圏在住)

 カラーリングや車体は「SE」「NSE」を踏襲しつつ、サービス面を向上させたことで、「正統な進化」や「Theロマンスカーの究極形」(50代・男性・首都圏在住)と称賛する声も多く寄せられました。

 もともと「SE」の置き換えを目的としていたため、引き続き連接車を採用し、定員や編成長についても「NSE」と大きな差が出ないよう設計となっていました。

 また、小田急の車両として初めて公衆電話が設置された点も特徴です。リニューアル後にはカラーリングがワインレッドに変更されましたが、「SE」登場から50周年、かつ小田急開業80周年を迎えた2007年には、旧塗装を復元して運行されました。

 1987年に登場した10000形「HiSE」は、「ロマンスカー伝統を受け継ぎつつスタイリッシュなデザイン」(40代・男性・首都圏在住)との声が寄せられました。

「ハイデッカーになった席は展望席でなくとも魅力的」(40代・男性・首都圏在住)

「赤と白がかっこいい。洗練された感じ」(40代・男性・首都圏在住)

 展望席を除くすべての座席が高床化された「ハイデッカー」構造は、前面展望席以外の乗客も車窓からの景色を楽しめるように設計されており、利用者から好評を博しました。

 当時、小田急では開業60周年を記念して新型特急車両の製造を目指しており、観光バスなどに高床車が導入され始めていた時期でもありました。観光の多様化を背景に、ロマンスカーでも同様の構造を採用したとされています。

しかし、「バリアフリー法の関係で早期引退なのは惜しかった」(10代・男性・首都圏在住)との意見の通り、2000年に制定された「交通バリアフリー法」により、車両の大規模更新にはバリアフリー対応が義務付けられました。「HiSE」の大きな特徴であるハイデッカー構造はこれに対応できず、結果として早期引退を余儀なくされました。この点を惜しむ声も少なくありません。

「HiSE」が早期引退したことで、同時期に運行していた「LSE」の運行期間が延長されることになりました。「EXE」など、通勤需要に対応する車両が登場した後も、「LSE」は2018年の引退まで長く観光特急としての役割を果たしました。

【復活を願う声も!?】これがかつてのロマンスカーです(画像)

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