「バトル・オブ・ブリテン」の魂ふたたび! ポーランド人飛行隊の礎作った「レトロな戦闘機」英から“奇跡の渡欧”へ

第二次大戦でポーランド人飛行隊を支えた「ハリケーン」を、イギリスからポーランドへ飛ばす計画が進んでいます。85年の時を超えて“絆の翼”を再び空へ―歴史をつなぐプロジェクトとして注目を集めています。

ポーランド空軍の記憶を繋ぐための記念飛行

 ポーランド空軍の将兵にとって、「ハリケーン」は戦争勃発後ようやく手にした一線級の機体でした。この「ハリケーン」で、例えば第601スコードロンに所属したヴィトルッド・ウルバノヴィッチュ少尉は、8月8日にメッサーシュミットBf109戦闘機を撃墜したのを皮切りに戦果を重ねています。結果、終戦までに18機を撃墜し、彼はエース・パイロットになりました。

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イギリス空軍の指揮下で戦っていたポーランド空軍義勇飛行隊の「ハリケーン」戦闘機(画像:パブリックドメイン)。

 ウルバノヴィッチュ少尉をはじめとするポーランド人の活躍を見たイギリス空軍は、ポーランド人を中心とする部隊の編成を決めます。こうしてポーランド人飛行隊とも呼ばれる第302スコードロンと第303スコードロン、2個飛行隊が創設されるのです。

 どちらも主力装備は「ハリケーン」でした。ちなみに、「バトル・オブ・ブリテン」のもっとも苦しい時期、イギリス空軍の戦闘機パイロットのうち、実に5%をポーランド人飛行隊が占めていたのですから、存在感の大きさが窺えます。

「バトル・オブ・ブリテン」を凌いだ後、間もなくポーランド人飛行隊の装備は「スピットファイア」に変更されます。とはいえ、祖国を失って流浪の軍隊となっていたポーランド空軍パイロットに居場所を与え、ドイツ軍と戦う力を与えたのは、「ハリケーン」でした。

 ところが戦後になると、東西冷戦が激化したことで、西側に逃れて戦ったポーランド兵の多くは祖国への帰国が適わず、イギリスなど諸外国で生涯を終えました。これは、大国の狭間で揺れるポーランドの歴史の暗い部分と言えるでしょう。

 しかし「バトル・オブ・ブリテン」からちょうど85年目、そしてポーランド空軍創設100周年となる2025年に、ポーランド人パイロットの戦いを称え、その記憶を紡ぐために、ポーランド飛行隊塗装の「ハリケーン」を飛ばそうという機運が高まったのです。

 これが冒頭に記したイギリスでのクラウドファンディングでした。今度は、イギリスからポーランドまでフェリーフライトさせよう。そういった気概が詰まった記念プロジェクト、それが85年の時を超え、動いています。

【え、空母から!?】艦載機として使われる「ハリケーン」戦闘機です(写真)

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