「戦闘機買います」ウクライナ署名でフランスひと安心!? お互いwin-winなその意義 本当の“策士”は誰だ?
ウクライナがフランス製「ラファール」戦闘機の導入に向けた意向書に署名しました。その背景には、フランスなどが進める次期戦闘機開発計画の遅れがあり、フランス側の事情も見えてきます。
仏独西の共同開発「もう有人戦闘機はやめる」報道も
FCASはフランス航空宇宙軍が運用しているラファール戦闘機と、ドイツ空軍およびスペイン航空宇宙軍が運用しているユーロファイターを後継する有人戦闘機、加えて有人航空機を支援する各種UAS(無人航空機システム)を共同開発するプログラムです。
ドイツとフランス、スペインは2019年に3か国共同でFCASの共同開発で合意しました。その後、共同開発プログラムは第1段階(フェーズ1)に進んだのですが、2025年中に予定されていた第2段階(フェーズ2)に移行する参加国の署名は、11月に至っても実現していません。
共同開発が暗礁に乗り上げるなか、11月17日付のイギリスの新聞「フィナンシャルタイムズ」は、ドイツとフランスが共同開発を「コンバットクラウド」、つまり指揮統制システムの分野のみにとどめて、有人戦闘機の開発は中止することを協議していると報じています。
ラファールのメーカーで、FCASへの参加も予定されているダッソー・アビエーションのエリック・トラピエCEO(最高経営責任者)は「フランスは単独で第6世代戦闘機を開発できる」と豪語しています。
フランスは機体、エンジン、戦闘システムなどの戦闘機の構成要素を、すべて自前で開発できる数少ない国のひとつです。筆者は、トラピエCEOの言うようにフランスには単独で第6世代戦闘機を開発できる能力があるとは思いますが、F-35などの第5世代戦闘機を上回る能力を要求される第6世代戦闘機を単独で開発するための財政的負担に、フランスは耐えられないのではないか、とも思います。





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