「アジアン装甲車」なぜ台頭? 日欧米の撤退・ブランド消滅は“儲からない”から? ひっくり返りつつある市場

世界の防衛装備品マーケットのなかで、欧米メーカーの影が薄くなり、新興国のメーカーが台頭しつつあるのが、装甲車です。市場で起きている地殻変動の背景には何があるのでしょうか。

“韓国に続け” アジア・中東メーカーが席巻する日

 装甲車は航空機などに比べると参入へのハードルが低く、アジアやトルコ、中東のメーカーにとっては参入しやすい分野です。これらの国々は一様に工業国家への仲間入りを目指していますが、その国の防衛力強化にもつながる防衛装備品という製品の性質上、政府の支援を受けやすいという側面もあります。

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マレーシアの装甲車メーカー、MILDEFが「ディフェンス&セキュリティ2025」に出展した「RIBAT」の模型(竹内 修撮影)

 また、これらの国々は日本や欧米諸国に比べれば労働人口が多いので、労働集約型産業に対応しやすいという利点もありますし、まだ労働者の賃金が安価なため、それを価格競争力に反映させることもできます。

 アジアのなかでも韓国は1970年代から兵器の輸出を行っていましたが、それは小規模なものでした。しかし1990年代末にドイツで開発された装甲車「TM-170」のライセンス生産品の輸出に成功してから四半世紀を経た現在、韓国は世界第10位(ストックホルム平和研究所2024年調べ)の兵器輸出国となっています。

 韓国がそこまで上り詰めた要因の一つは、韓国政府の手厚い防衛産業の保護育成にあり、それが韓国の工業化を牽引したと考えられています。アジアや中東諸国の工業化を目指す国々が、韓国と同じ手法で工業化を推進していこうと考えるのは、当然の流れなのかもしれません。

【日本の選択肢めっちゃある!?】これが「アジアン装甲車」の数々です(写真で見る)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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