中国の航空会社が減便しても「大した影響はない」本当か? 日本人が“できなくなること”とは
日本と中国の関係悪化に伴い、中国系航空会社は日本路線を減便しています。これは中国人観光客の減少だけでなく、日本人旅行者の一部にとっても大きな影響を及ぼす可能性があります。
「大勢には影響ない」は本当か?
日本と中国との関係の悪化に伴い、中国系航空会社の日本行き路線の減便が広がっています。
こうした事態について、SNSでは「中国人観光客が減るのでオーバーツーリズムが解消される」「中国人観光客は日本でも中国系旅行会社を使い、中国系資本のホテルに泊まるので、経済的な影響はそれほどない」という意見が多く見られます。
もちろんそれはある意味正しい分析ですが、実はこの減便が、海外渡航を考える日本人旅行者にも大きな影響を与える可能性があることをご存じでしょうか。
日本と海外を結ぶ航空路線について、JAL(日本航空)やANA(全日空)など日本のFSC(フルサービス航空会社)を中心に考えると、その発着地は羽田国際空港、成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港の「4大国際空港」にほぼ集約されます。
つまり日本の地方都市から日本のFSCを使い海外に出かけるときは、上記のいずれかの空港まで空路もしくは陸路で移動して乗り換える必要があります。
ところが中国系のFSCは、中国の主要都市とこれら4大国際空港に加え、日本の地方都市を結ぶ航空路線を数多く開設しています。
たとえば中国の3大FSCのひとつである中国国際航空は、北京、上海、杭州、大連、天津などと新千歳空港、仙台空港、広島空港、福岡空港、那覇空港などとの間に直行便を飛ばしています。残るふたつの中国東方航空、中国南方航空も同様です。
そしてこうした「中国の主要都市−日本の地方都市」を直接結ぶ航空路線は、日本の地方都市を訪れる中国人観光客の便利な手段となっているだけではありません。それら日本の地方都市およびその周辺に住む人々にとって、前記の4大国際空港に足を運ぶことなく海外に出かけることができる便利なゲートウェイとなっているのです。
ここで「両国間の関係が冷え込むなか、中国に観光に行く日本人なんて、それほど多くないのでは?」と思われる人も多いでしょう。確かに、こうした海外に出かける日本人の目的地が中国国内であれば、その影響は限定的とも言えるかもしれません。しかし問題はもう少し複雑です。




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