中国の航空会社が減便しても「大した影響はない」本当か? 日本人が“できなくなること”とは

日本と中国の関係悪化に伴い、中国系航空会社は日本路線を減便しています。これは中国人観光客の減少だけでなく、日本人旅行者の一部にとっても大きな影響を及ぼす可能性があります。

「中国経由」でぐんと広がる選択肢が消える…

 実は上記の北京、上海、杭州、大連、天津など中国の大都市の空港は、さらにそこから第三国へも数多くの航空路線のネットワークを持っています。そして日本の地方空港からこれらの空港を経由して、それら第三国に飛ぶ旅行者が少なからず存在します。

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日本にも多く就航する中国南方航空の機体(画像:PIXTA)

 所要時間については、東南アジアや中東、ヨーロッパの都市を目的地とする場合、日本の4大国際空港を利用するよりもトータルではあまり変わらない、もしくは利用便によってはより短くなることもあります。

 さらに運賃も非常に魅力的です。時期や路線によっては、出発する都市から4大国際空港まで、国内を移動するレベルの費用で、海外に行ける例もあるのです。

 たとえば新潟空港(新潟県)からタイの首都バンコクのスワンナプーム国際空港までの格安航空券をOTA(オンライン旅行会社)で購入すると、最安値となる中国東方航空では、往復3万円を下回ることもあります。もちろんこれは燃油サーチャージ込みの金額です。

 もちろん、中国系航空会社の機内では日本語でのきめ細やかな応接はありませんし、機内エンタメも日本語対応していないなど、JALやANAのような“おもてなし”を期待するのはいささか無理がありますし、シートピッチも狭いなど、設備も見劣りすることは否めません。ただそれでもLCCよりは十分に広く、無料の機内食もあり、さらに一定量の預け入れ荷物は無料です。

 LCCを使うために新潟から成田国際空港や関西国際空港まで移動するだけでも2万円以上の費用がかかることを考えれば、海外旅行の足としては十分に割り切れるレベルでしょう。同様の例は、小松空港(石川県)、那覇空港(沖縄県)などでも見られます。

 もし中国の主要都市と日本の地方都市を結ぶ航空路線の運休が長引けば、こうした日本の地方都市から中国を経由して第三国という格安航空券の存在が危ぶまれることになります。

 もちろん、それら地方都市からは、韓国の航空会社を利用し、仁川空港を経由して第三国へというルートもありますが、こちらは中国経由に比べ割高です。また選択肢が少なくなることは旅行者にとってけっして有利に働くとは言えません。

 誰もが自由に、格安で海外旅行を楽しむため、こうした政治の対立による航空路線の減便がなくなることを期待したいと思います。

【これが「中国経由の格安海外」渡航法です!(写真)】

Writer:

時事問題、社会問題をフィールドとするフリーライター。 IT&ガジェット系、スマホの料金プラン問題などにも精通する。

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