【対談】第9航空団司令×八代弁護士 2016年、「防空最前線」に誕生した戦闘機部隊

緊迫する沖縄・南西諸島エリアの防空に2016年、大きな変化がありました。51年ぶりの「航空団」新編です。その誕生と同エリアの状況について、新編された第9航空団を率い、最前線でその空を守る川波清明司令に、八代英輝弁護士が聞きました。

滑走路、ダイバート… 那覇基地ならではの特徴

八代「那覇基地は、那覇空港の1本しかない滑走路を民間と共用しています。訓練などで滑走路をさほど自由に使えないと思いますが、その点はいかがでしょうか」

川波「それは官民両用の飛行場の特徴です。特にここは国土交通省が管制を受け持っています。通常、航空自衛隊の飛行場は航空自衛官が管制を担当しているのですが、ここ那覇では、国土交通省とよく話し合いつつ、民間航空機の妨げにならないよう、共存共栄で運営しています」

八代「所帯が大きくなって、訓練計画を立てるのも大変でしょう」

川波「その通りですが、たとえば離発着の回数が少ない時間帯に訓練を集中させるなど、なるべく民間航空機への影響を最小にしながら、我々の訓練も最大にできるよう、工夫させていただいております」

八代「那覇空港に、2020年3月末の供用開始が計画されている第2滑走路ができるまでは、滑走路1本でやりくりしなければならないのですね」

川波「そうですね。そういう意味では、ここは非常に厳しい環境ではあると思います」

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那覇空港の滑走路は2016年現在、1本のみ。これを官民両用で使用している(写真出典:国土地理院)。

八代「航空の混雑という意味以外で、たとえば地理的なことなど、那覇ならではの難しさはあるでしょうか」

川波「地理的なことですと、南西域という広いエリアを管轄する航空自衛隊は、那覇にしかありません。ほかの場所ですと、隣接する航空団あるいは航空自衛隊の基地のあいだに、たとえば米軍や海上自衛隊の基地などがありますが、ここは陸海空それぞれがひとつの所にまとまっています。よって、たとえば代替飛行場というのが非常に設定しづらくなっており、そういう意味では非常に運用が制限されています」

八代「ダイバート(代替着陸)できる場所が、民間空港しかないのですよね。石垣、宮古……」

川波「そこも戦闘機の運用には適さない空港です」

八代「石垣、宮古に降りた段階でニュースになってしまう」

川波「我々の代替飛行場は一応、米軍の嘉手納になっております」

八代「近すぎますよね、そうすると」

川波「その通りです。たとえば天候急変のような場合、那覇も嘉手納も一緒に天気が悪くなってしまいます。そうした意味でも運用は非常に厳しい状況です」

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