空自の“最新鋭ステルス戦闘機”がドレスアップ「あれ? 表面とかにいろいろ塗っちゃダメなんじゃないの?」驚きの理由が明らかに
12月7日に宮崎県の航空自衛隊新田原基地において最新鋭戦闘機F-35B「ライトニング II」が展示され、その内の1機は機体の記念塗装機として、一部に軍用機らしからぬハデな模様でドレスアップされており、来場者の注目を集めました。
「終わったらすぐに戻せます」え、なぜ?
結論からいえば、今回の「記念塗装」機は、航空自衛隊の本来の任務にはなんら影響の無いものです。じつはこの機体表面の図柄は塗装ではなく、図柄が印刷されたシールを貼ったものになります。
塗装作業と違って、シールの場合は貼り付け作業が短時間で終わり、新田原基地の航空祭が終わると速やかに剥がされてすぐに任務に復帰できるといいます。この状態で飛行することもできず、まさに航空祭展示限定のインスタントな記念塗装機です。そもそも塗装していないのですから、記念塗装機という名称も厳密にいえば正しくないとも言えます。
これまでにも自衛隊では航空祭や部隊の記念行事等に合わせて記念塗装機を製作してきましたが、塗装の場合は機体表面のクリーニングや色数に応じた塗装と乾燥作業が必要であり、その為に機体が一定のあいだ任務で使えなくなります。
なお、F-35に特別塗装を施すことは不可能ではありませんが、通常の塗料で塗装するとステルス性に影響が出るために、塗装する場合は特別な塗料を用意する必要があります。
現状、新田原基地のF-35B配備数はわずか3機と少なく運用する部隊も「臨時F-35B飛行隊」として人員と組織の立ち上げを行っている段階にあります。部隊として多忙な時期に、記念塗装機の準備で訓練に支障を出すわけにもいかず、それが今回のインスタント「記念塗装」機に繋がったのでしょう。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





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