空自の現場が語る救難ヘリコプター、その実力

那覇救難隊が「救う」のは、西南域のみならず

 那覇救難隊隊長の中垣2佐(当時)に最も印象的なミッションを聞いたところ、「いっぱいあるのですが(笑)」とひと呼吸置いて、2015年12月17日に携わった任務について話してくれました。これは那覇救難隊の歴史において最も遠い、那覇南東760kmまで出動した任務とのことです。

「船舶で発生した外国人の負傷者を救出するために出動したのですが、UH-60Jでは那覇から真っすぐ行って帰ってこられる距離ではなかったので、那覇から約400km弱東にある南大東島にU-125A救難捜索機で整備員を派遣したうえで、UH-60Jも南大東島に着陸し給油をしてから救助へ向かい、さらに帰りも南大東島で給油し那覇に帰投するという任務を行いました。行きも帰りも悪天候のなかで、あと現場に5分いたら燃料は足りなかったかもしれないギリギリの任務でした」(那覇救難隊隊長 中垣2佐(当時))

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UH-60Jの「クルーホバー」用ジョイスティック。自動操縦を活用することでホイストを扱う機上整備員が、ヘリの位置を直接微調整できる(関 賢太郎撮影)。

 訓練や任務のほとんどを海上で行う那覇救難隊は、ほかの救難隊に比べて上記の例のように外国人を救助する機会が非常に多く、それにともなう検疫や出入国管理など、ほかの機関と調整する経験が豊富です。海上の完全な真っ暗闇での飛行や、すぐ陸地に降りることができないため、特に緊急状態になったときにどこへ帰るのかという判断など、海上での活動に関するノウハウを得やすい環境にもあります。

 こうした経験やノウハウは、全国の救難隊で共有しあっているそうです。たとえば雪山での活動は千歳救難隊(北海道)に教えてもらうなど、人と航空機を融通しあうことで相互に救難隊全体のレベルを高めています。彼ら那覇救難隊の存在は、単に沖縄だけではなく、日本全国の海を航行する船舶の乗員の生命を支えているといえるでしょう。

【了】

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コメント

1件のコメント

  1. 映画 「空へ-救いの翼 RESCUE WINGS-」で見ましたね。