「国鉄形電車もこれが最後か」と思わずにはいられないツアーに参加 「あれはドナドナされた車両たち…」 本当に“伏線”となるのか?

懐かしい国鉄形電車を貸し切り運行するツアーが開催され、大勢の鉄道ファンが集まりました。同行すると、事前には告知されていなかった「これで最後」の演出が次々と繰り出されました。

ファンの行動はお見通しだ!?

 戸倉の跨線橋の窓から115系のベンチレーター(通風器)が並んだ屋根を撮影していると、「何か“名物”を忘れている」と気づきました。前回訪れた際には営業していなかった駅構内のそば店「かかし」への訪問を忘れていたのです。

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しなの鉄道115系の横須賀色(大塚圭一郎撮影)

 改札口を出たところの「かかし」をのぞこうとすると、手前に山中さんが立ちはだかっています。「あと5分ほどで出発です」と、さりげなくそばを諦めるように促されました。参加者の乗り遅れにつながりかねない行動を先読みし、未然に防ぐというベテラン添乗員ならではの技に筆者はあっさりと“降伏”し、おとなしく列車に戻ったのは言うまでもありません。

 続いて西上田(上田市)では20分停車し、上田に17時15分に到着しました。停車時間は29分ありますが、先頭部の方向幕の幕回しや「115」と記されたヘッドマークの取り付け、続いて側面の方向幕の幕回しを撮影していると刻一刻と発車時刻が近づきました。

 プラットホームには即席のしなの鉄道グッズ販売コーナーが設けられました。買いたくなる商品が多く並んでいましたが、後ろに行列ができていたので筆者は115系を装飾したクリアファイルを2枚つかむと代金を渡し、「包装は結構です」と言って買い物を終えました。「時間があればもっと買いたかった」と話す他の参加者たちの購買力のすごさは、翌日目の当たりにすることになります。

 上田から長野まではノンストップで36分かけて走り、ここでは115系の主電動機MT54の駆動音を存分に堪能できる“音鉄タイム”が用意されていました。

国鉄形が並んだ「最後」の光景

 翌12月7日に長野の2番線には、しなの鉄道115系のオレンジ色と緑色のツートンカラーをまとった「湘南色」のS3編成(3両)の貸し切り列車が待ち受けていました。隣にはアイボリーホワイトを基調とし、緑と赤のラインが入った「初代長野色」の115系S7編成(3両)の軽井沢行きが並んでおり、参加者は7時27分の貸し切り列車出発より前から“トレ活”にいそしみました。

 この日は北しなの線を北上して北長野、黒姫に停車後、8時11分にしなの鉄道とえちごトキめき鉄道の境界駅である妙高高原(新潟県妙高市)の2番線へ滑り込みました。隣の1番線にはえちごトキめき鉄道のクリーム色とローズピンク色の「交直流急行色」をまとった3両編成の455・413系が既に停車しており、国鉄形電車同士が横並びになりました。

 先頭部に「急行」のステッカーを貼った455系は「立山」のヘッドマークを取り付け、この日の「急行」と位置づけた運用には好都合です。特製ヘッドマーク「急行 115系」を掲げた115系との“競演”が目を引きましたが、455・413系の交直流急行色と115系の湘南色がすぐ隣で並ぶのは「これが最後になります」と関係者が耳打ちしてくれました。その理由は後刻判明します。

【もう見られない…】これが国鉄形電車「最後の光景」です!(写真29枚)

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