「中国製旅客機」今後も海外へ売り込むの? 現状散々な結果… “異例のアピール”は続くのか
中国の150席級旅客機C919は「海外デビュー」してから、まもなく2年になります。デビューからの現状までの経緯はどのようなもので、今後どうなるのでしょうか。
ぜんっぜん売れない「C919」、今後も海外アピールするの?
中国は今後、C919の海外セールスへどれだけ積極的に動くのでしょうか。それは2026年2月に開かれる、海外デビューの場だったシンガポール航空ショーから占うことができると筆者は考えています。
同ショーでもし、前回と同じようにC909も含めて5機程度を展示した場合、中国は、民間機市場を拡大する意欲を益々向上させていると見ることができるでしょう。一方、前回駐機場で展示されたのは計3機でした。ここは先述の世界的航空ショーよりスペースが狭いため、これ以上の展示は窮屈感が出て見栄えが悪くなり、かえって訴求力は落ちると見られます。
一方で、前回より展示機数が少なかった場合はどう考えるべきでしょうか。筆者はこのケースにおいてはトーンダウンではなく、意欲は変わらないと見るべきと筆者は考えます。そもそも民間機の展示機数はシンガポール航空ショー級なら1機か2機なので、むしろ2024年は「デビューの年だから多かった」と説明できます。海外進出してわずか2年であきらめるのも考えにくくあります。
そして中国はC919だけではなく、現在より大型のC929、さらに大型のC939の実用化の検討を進めており、同国は航空機産業を国家事業と位置付けています。
もしかすると今後、COMACがボーイングやエアバスに肩を並べ、世界の旅客機開発競争が“三つ巴”時代が近づいているのかもしれません。
Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)
さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。





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