戦闘機も装甲車も「タダであげるよ!その代わり……ニヤニヤ」 兵器の“無償譲渡”そのウラにある戦略
アメリカがポーランドに対し、装輪装甲車「ストライカー」をタダ同然で譲渡すると提案しました。兵器の無償譲渡は珍しい話ではありませんが、そこには譲渡する側、される側双方の様々な思惑が隠されています。
今回は「条件付きタダ」 ウクライナ躊躇か
ウクライナ空軍はロシアとの開戦以降、これまでもポーランドからMiG-29の供与を受けてきました。オランダなどから譲渡されたF-16や、フランスから譲渡されたミラージュ2000も運用していますが、2024年の時点で45機が運用されているMiG-29は、数の上では依然として主力戦闘機の座を占めています。
今のところ終わりの見えないロシアとの戦いで、おそらくMiG-29を消耗しているウクライナ空軍にとって、ポーランドが持ち掛けたMiG-29の無償譲渡はありがたい話のはずですが、今回の追加譲渡は様相が異なります。
今回も前回(2024年)と同様の無償譲渡になるものと見られていましたが、ポーランドはMiG-29を「無償」で譲渡する代わりに、ウクライナが持つUAS(無人航空機システム)とミサイルの技術を求めています。ウクライナはMiG-29に虎の子とでも言うべきUASとミサイルの技術と引き換えにする価値があるのかを見極める必要があるとして、現時点では態度を保留しています。
ポーランドとしては、不要になったMIG-29の保管や廃棄コストを節約して他の防衛装備品の導入や運用コストに充て、かつウクライナが実戦で得たUASとミサイルの技術を得ることで、同国にとっても最大の軍事的脅威であるロシアに対する防衛力を高めたいという思惑があるわけです。シビアな話ではありますが、合理的な考えであることも確かだと思います。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。





コメント