日本の「軽トラ」がアメリカで人気!? バギーより安いのに快適すぎる“田んぼのベンツ”が最強なワケ
日本の田舎でおなじみの軽トラックが、いま海を越えてアメリカで大人気になっています。「Kei Truck」と呼ばれ、屈強な男たちが小さな車体に乗り込む姿がクールだというのです。なぜ軽トラが選ばれているのでしょうか。
古いからこそ乗れる「25年ルール」の恩恵
アメリカでは、製造から25年を超えた車両は連邦の安全基準(FMVSS)の適用対象外として輸入できる枠組みがあり、通称「25年ルール」と呼ばれています。なお、排ガスについては別枠で、EPA(米国環境保護庁)の手続き要件があります。
通常、アメリカで販売されていない右ハンドルの日本車は各種基準の適合でハードルが高めですが、製造から25年が経てば輸入時の適合負担が軽くなります(公道での登録や走行の可否は州によって扱いが異なる)。
そのため、いまアメリカに渡っているのは、1990年代後半の軽トラに加え、製造年月によっては2000年製の個体も“25年”の条件を満たし始めています。
「そんなに古くて大丈夫」と思うかもしれませんが、むしろそこが人気の秘密でもあります。90年代の日本車は過剰品質といわれるほど頑丈に作られ、構造もシンプルです。DIYが好きな人が自分で修理して楽しめる点もウケています。
また、楽しみ方は作業用だけにとどまりません。迷彩柄に全塗装したり、車高を上げて大径タイヤを履かせたりと、実物大のプラモデルのようにカスタムのベース車両としても愛されています。
エンジン音が静かなので(UTVと比べて)狩猟に使ったり、小回りが利くので大学やリゾート施設の構内移動に使ったりと、その用途は広がるばかり。若者がファッションツールの1つとして街乗りを楽しむ例も増えています。
日本独自の規格で「ガラパゴス」だと思われていた軽トラが、海を渡って「有能なギア」として再評価されているのです。そう捉えると、普段は無味乾燥な街中の軽トラが、少し誇らしく見えてくるかもしれません。





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