ベネズエラ大統領を電撃拘束! 米軍の「斬首作戦」を支えた“闇夜の追跡者”とは?『ブラックホーク・ダウン』の失敗は生きたか

アメリカ軍が南米ベネズエラを軍事攻撃し、同国のマドゥロ大統領を拘束したとの報道が、2026年1月4日未明に飛び込んで来ました。この奇襲作戦を成功させた立役者が、黒く塗られた大小のヘリを操る特殊部隊「ナイト・ストーカーズ」です。

「ブラックホーク・ダウン」のヘリ輸送部隊

 160th SOARはアメリカ軍、とりわけ特殊部隊の輸送や回収、救出などを主任務としたヘリコプター装備の特殊部隊です。

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KC-130空中給油・輸送機から空中給油を受けるMH-60特殊作戦ヘリコプター(画像:アメリカ陸軍第160特殊作戦航空連隊)。

 この部隊は苦い教訓から生まれました。1980年4月、イラン革命によって人質に取られた52名のアメリカ人外交官等を救出するため、アメリカ軍は特殊部隊による救出作戦とヘリコプター部隊の夜間低空侵入を組み合わせた「イーグル・クロー作戦」を実施しました。

 しかし陸軍と空軍、海兵隊が関与するという複雑な指揮系統に加え、夜間に低空で敵地へ侵入し、短時間で撤収するといった作戦自体に無理があり、作戦は失敗。航空機の衝突事故で8名の戦死者まで出して、アメリカ軍の威信は失墜しました。この反省から、アメリカ陸軍は特殊部隊の夜間支援に特化した航空部隊の整備に取り組みます。これが1981年10月に創設された第160航空大隊(160th Aviation Battalion)です。以降、部隊は増強と改編を重ね、1990年6月に現在の名称となって今日に至ります。

 160th SOARを有名にしたのが1993年、ソマリア内戦におけるモガディシュの戦いです。映画『ブラックホーク・ダウン』で活写されたヘリコプター部隊です。MH-60ブラックホークが2機も撃墜されて、作戦は大失敗だったじゃないかと批判されるかもしれません。ですが、湾岸危機が勃発した1990年以降、確認されているだけでも今日まで10を優に超える大規模軍事作戦に投入されているように、アメリカ軍の特殊作戦には不可欠な支援部隊です。モガディシュの戦いは、信じられない失敗であったからこそ映画の題材になったと言えるでしょう。

【暗視装置でクッキリ!】これが闇夜に活動する「ナイト・ストーカーズ」です(写真で見る)

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