世界初・日本初が続々!? 2026年に登場する「スゴい新造船」たち “燃料チェンジ”加速 “日本の生命線”握る船も
2026年もカーボンニュートラルに向けた様々な特徴を持つ新造船が次々と登場します。“次世代燃料”に対応するだけでなく、「縁の下の力持ち」的な特殊船もデビュー予定です。
建設会社が導入する「珍し~い巨大船」
海洋土木大手の東洋建設が導入する国内最大級となる「自航式ケーブル敷設船(CLV)」が、2026年6月に引き渡される予定です。海底ケーブルを敷設するための船です。建造を手掛けるのはイタリア造船大手フィンカンティエリグループのノルウェー・VARDグループ。同社のルーマニア造船所で組み立てと一次艤装を行った後、ノルウェーで二次艤装と総合試運転を行っていきます。
新造CLVは、成長が期待される日本の洋上風力発電市場への対応と、世界各国での運航という東洋建設のニーズに応えるべくVARDが特別に開発した新たな船型を使用します。日本の自然条件と施工条件に適した最適な船体設計を採用しているといい、水深の浅い海域から、浮体式洋上風力発電や直流送電事業を対象とする大水深海域まで、幅広い建設需要に対応できるとしています。
船体の長さは149.6m、幅は28m。大規模な洋上風発や長距離のケーブル敷設を行うため、国内最大となる合計9000トンのケーブルタンクを搭載するとともに、動揺低減機能付きの250トン吊りと100トン吊りのクレーンを設けます。船首側にはヘリコプター甲板も装備。広いデッキは機器の取り外しが可能で、目的に応じてケーブル敷設や着床式風発のジャケット基礎工事などが行えます。
愛子さまがロープを切った「日本初の船」も登場
JAMSTEC(海洋研究開発機構)の北極域研究船「みらいII」が2026年11月に竣工する予定です。同船は砕氷機能と船上で海洋環境の研究を行える本格的な観測機能を併せ持つ日本初の砕氷観測船で、JMU横浜事業所磯子工場で建造が進められています。2025年3月19日に開催された命名・進水式には天皇皇后両陛下の長女、愛子さまが出席され、支綱を切断されました。
「みらいII」は国際研究プラットフォームとして活用できる設備を整えるほか、LNG燃料が使用できる発電機を搭載。時期によっては北極点付近への到達を目指せる最新鋭の研究プラットフォームとして設計されています。
全長は128m、幅は23m。船体規模は1万3000総トンで、後部甲板にはヘリコプターやドローンの運用を想定して格納庫とヘリ甲板を備えました。運航を担う乗組員34人に加えて、研究者など63人が乗船できる居住区画も設けられます。
砕氷能力は厚さ1.2mの氷(平坦1年氷)を砕きながら3ノット(約5.6km/h)の速度で航行が可能。北極で得られたデータは調査研究に加えて、北極海航路など氷海域で航行する商船の開発にもフィードバックされることが期待されています。運航業務は商船三井が担います。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。





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