「ブルーインパルス」725号機の20年 震災乗り越え退役 更新機体は同機種、その次は?

いずれ来る全機の退役時期、後継に国産機の可能性は?

 通常の練習機型T-4は「T-4ブルーインパルス」に比べて強い負荷を掛ける頻度が少ないので、寿命が比較的長く残されています。そのため津波の被害による喪失や今回の退役機の後継には、既存のT-4をもとに「T-4ブルーインパルス」としての改造を加えることで対応しており、それぞれ787号機、790号機が新たに加わりました。

「ブルーインパルス」は1960(昭和35)年以来、初代使用機F-86F「セイバー」戦闘機、2代目T-2練習機、3代目「T-4ブルーインパルス」と機種更新してきました。いずれT-4も次世代機へ更新され、全機が退役する時期がやってくることになるでしょう。

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2代目「ブルーインパルス」使用機のT-2。1982年から1995年まで使用された。旋回性能は低かったものの、歴代機で唯一アフターバーナーを持つ(関 賢太郎撮影)。

 自衛隊や各国空軍のアクロバットチームは、自国の航空産業をアピールする存在でもあるため、軍用機を製造している国では国産機を使用することに意義があります。「T-4ブルーインパルス」の後継機について考えるにはまだまだ時期尚早ですが、4代目「ブルーインパルス」も国産機になるかもしれません。

 これに選定される機種としては、T-4の後継練習機が最有力候補であると考えます。1990年代の一時期には、当時「次期支援戦闘機FS-X」と呼ばれていた三菱F-2戦闘機を「ブルーインパルス」仕様にする案が検討されていましたが、これは実現しませんでした。4代目「ブルーインパルス」が、F-3という仮称で知られるF-2後継戦闘機になる可能性も、やや厳しいといえるかもしれません。

●2017年現在の「T-4ブルーインパルス」全機リスト
・720号機(#46-5720 新造 2000年:墜落)
・725号機(#46-5725 新造 2016年:退役)
・726号機(#46-5726 新造 現役)
・727号機(#46-5727 新造 2000年:墜落)
・728号機(#46-5728 新造 現役)
・729号機(#46-5729 新造 現役)
・730号機(#46-5730 新造 現役)
・731号機(#46-5731 新造 現役)
・745号機(#66-5745 新造 現役)
・804号機(#26-5804 新造 2011年:水没)
・805号機(#26-5805 新造 現役)
・787号機(#06-5787 改造機 現役)
・790号機(#06-5790 改造機 現役)

【了】

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